1. 二
種類の
生き物が
一緒に
暮らすことを
共生といいます。その一
例がイソギンチャクとクマノミです。
普通、魚がイソギンチャクの
触手に
触れると、
毒針によって
麻痺させられてしまいます。しかし、クマノミの体の
表面には
特殊な
粘液が
分泌されていて、イソギンチャクの
毒には
反応しません。クマノミが出す
粘液の
成分はイソギンチャクの
粘液の
成分と
似ているため、イソギンチャクはクマノミをえさと見なしません。このため、クマノミはイソギンチャクの
周りをすみかにして、
恐ろしい敵から
身を
守ることができるのです。
2. クマノミの体は、どの
種類も赤、オレンジ、黄色、黒、白などが組み合わさった
鮮やかな色をしています。
歌舞伎役者の
隈取りした
化粧に
似ているのでクマノミという名前がついたそうです。
3. では、イソギンチャクにとって、クマノミが
周囲にいることにどんな
利点があるのでしょうか。クマノミは、イソギンチャクの
周りに
縄張りを
持っており、イソギンチャクの
触手などを食いちぎって食べる魚など、イソギンチャクの
敵を
追い払います。また、イソギンチャクの
触手の間にえさを
置いておくのですが、その
一部はイソギンチャクのえさにもなるようです。つまり、クマノミとイソギンチャクは、
お互いに身を
守ってもらったり、えさの
一部を分けてもらったりして、ギブアンドテイクの
関係を
保っているのです。
4. イソギンチャクカクレエビも、その名のとおり、イソギンチャクと
一緒に
暮らす仲間です。また、ヤドカリやカニの中には、自分のはさみや
貝殻にイソギンチャクをつけて、
身を
守るものもいます。
お互いにえさのやりとりもしているようです。
5. ハゼとエビも
共生しています。ハゼは、エビが
苦労して
掘った
巣穴に
同居します。
視力のよくないエビにとって、自分の
代わりに
見張りをしてくれるハゼは
歓迎すべき
同居人です。また、エビが外出するときも、ハゼは
忠実なボディガードの
役割を
果たします。∵
巣穴の外にいるとき、エビは自分の
触覚をハゼの体に
常にぴたりとくっつけています。
敵が近づいてくると、ハゼは、
尾びれをふるわせてエビに合図をします。エビは、
危険を
察知してすぐに
巣穴に入ります。もちろん、ハゼも
一緒に
巣穴に
戻ります。ハゼとエビは、同じ
巣穴の中で、ハーハー、ゼーゼーと
息を切らしながら、「
危なかったね。」と話をしているのかもしれません。
6. ホンソメワケベラとクエは
掃除共生する組み合わせとして知られています。クエは、本来、小魚をえさとしています。ホンソメワケベラは、クエに
近寄ったら一口で食べられてしまいそうな小さな魚です。しかし、
不思議なことに、ホンソメワケベラが近くに来るどころか、クエの口の中に入っても、クエは
決してホンソメワケベラを食べようとはしません。これは、ホンソメワケベラがクエの
寄生虫を
掃除してあげているからです。クエは、口やえらなどにについた
寄生虫をきれいさっぱりホンソメワケベラに
取ってもらって
上機嫌というわけです。クエがホンソメワケベラを食えないわけはここにあるのです。ホンソメワケベラにとって、
寄生虫はえさにもなるし、大きな魚と
一緒にいることで
敵から
身を
守ることもできて一石二鳥です。
7.
共生関係にある
生き物たちは、
違う種類であるにも
関わらず、
調和を
保って、
平和な
関係を
維持しているのです。
8.
言葉の森
長文作成委員会(Λ)