シオン の山 8 月 2 週
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★自由な題名
○何かを作ったこと
★よその家にとまったこと、プールであそんだこと
○みずでっぽうで遊んだこと
○羽の構造
 羽には、様々な用途があります。あるときには婦人の帽子を飾り、女性の美しさを際立たせます。別のときにはペンになり、ラブレターをつづるかもしれません。またあるときにはコートの中綿になり、私たちを温かく包んでくれます。
 しかし、羽のありがたみをいちばん感じているのは、何といっても鳥たちでしょう。羽がなければ飛ぶことができません。更に、美しい羽は、つがいの相手となるパートナーをひきつけるのにも役立ちます。また、鳥を寒さから守る役目も果たします。これらの点では、鳥たちも人間とあまり変わりません。もっとも、羽をペンの代わりにする鳥はいないようですが。
 鳥類が羽を持っていることは広く知られていますが、その作りをじっくり眺めたことのある人はあまり多くないかもしれません。羽は実に見事にデザインされています。
 風切羽(かざきりばね)の中心には羽を支える軸が走っています。よく見るとその裏側には一本の溝が刻まれています。このちょっとした工夫のおかげで軸の強度は高まり、曲がったりよじれたりしても折れにくくなっています。
 鳥類はまた、普通の羽の間に、糸のような細長い羽を持っています。この羽の根元にある一種の感覚器は、羽の乱れを鳥に知らせます。羽が乱れてきたという信号が出ると、鳥は翼を休め、くちばしで羽(は)づくろいをして羽を整えます。この感覚器はまた、飛んでいる速度を鳥が判断するのに役立っているのではないかとも言われています。
 表面から見える羽の下には、ダウンと呼ばれる綿羽(わたばね)がぎっしりと生えています。カモの場合、その厚さはニセンチ近くにもなります。綿羽(わたばね)の断熱性は優れており、冬の身を切られるような寒さも、ダウンのコートがあれば平気です。∵
 羽のおかげで、鳥も人間もファッションを楽しむことができ、さらには寒さをしのぐこともできます。鳥の羽は、まさに「一石三鳥(さんちょう)」あるいはそれ以上の働きをしています。しかし、生まれつきそういう羽を持っているカモたちにとっては、当たり前のことなのカモしれません。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(τ)