長文集  2月2週  ○パストゥールは炭疽菌のいる(感)  se-02-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2010/09/17 19:34:06
 【1】パストゥールは炭疽菌のいる血液を
一滴だけとって、これを尿の中で培養しまし
た。数日後、この培養液からまた一滴だけと
って、二番めの培養液の中におとしました。
 そして数日後、またおなじことをくりかえ
しました。
 【2】いちばん最初の一滴の血液は毎回う
すめられているのですから、この作業をなん
どもくりかえしていけば、最初の一滴の中に
いた微生物はとうぜん消えてしまうはずです

 【3】パストゥールは、このようにして二
十回もうすめてきた培養液から、ほんの一滴
だけとって動物に注射しました。すると、動
物はたちまち炭疽病にかかることがわかりま
した。【4】最初の培養液も、最後の培養液
も、病気をおこさせる力はおなじなのです。
うすめるたびに炭疽菌が繁殖したにちがいあ
りません。そうでなければ、最後の培養液は
何百倍にも弱まっているはずですから。
 【5】こうして、この小さな棒状のものが
、炭疽病の原因だということがわかりました

 もし環境をかえたら、炭疽菌はどのような
反応をしめすのでしょう。
 【6】パストゥールは、ニワトリが炭疽病
にかかっている羊といっしょにいても、決し
て病気にならないこと、また、ニワトリの体
温が高いことを知っていました。【7】そこ
で、数羽のニワトリを氷につけてひやしてか
ら、炭疽菌をあたえてみました。どうなるか
想像してみてください。
 【8】しばらくすると、ニワトリはみんな
病気にかかったので す。
 パストゥールはすぐに反対の実験をしてみ
ました。
 ウサギは炭疽病にかかりやすい動物です。
【9】何匹(びき)かのウサギをあたたかい
お湯につけて体温をあげてみました。すると
どうでしょう、ウサギは病気にかからなかっ
たのです!【0】
 「細菌と戦うパストゥール」(ブラーノ=
ラトゥール)偕成社
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