クリ の山 10 月 1 週
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★じゆうなだいめい
○はじめてできたこと
◎朝のできごと、うんどうかい
○夏と冬でいろのかわるどうぶつ
十五個のお団子
【1】「今日は十五夜だから、お団子作ろうか。」
 朝(あさ)ごはんのあとで、お母さんが言いました。私は、大きな声で、
「うん、作ろう。作ろう。」
と騒ぎました。お母さんは、にっこりしながら、
「じゃあ、材料用意しておくから、今日は遊ぶ約束をしないでね。」
と言いました。
 【2】私は、小さいころから何回もお団子を作ったことがあります。私はお団子作りが大好きです。こねた生地を手の平でころころと丸めます。まるで粘土遊びのようです。粘土と違うのは、お団子の方がおいしそうな匂いがするところです。【3】お母さんはゆでてからでないと食べられないと言うのですが、いつも、こっそり一口だけかじってみたくなります。
 家に帰ると、すぐにお団子作りに取りかかりました。お母さんが用意してくれていたお団子の粉と水を混ぜます。
【4】「ゆっくり混ぜないと、はねるから気をつけて。」
と注意されたので、なるべく丁寧に気をつけてかき混ぜました。だんだん粘土のようにまとまってきました。お母さんは、
「どれどれ、ちょっと見せて。」
と、少しつまむと、
「耳たぶくらいの柔らかさになったかな。【5】うん、いいんじゃない。もう丸めていいよ。」
と言いました。そんなときのお母さんは、てきぱきしていて、まるで学校の先生のようだなと思います。生地をむにゅっと取って、ピンポン玉くらいの大きさに丸めていきます。お供えにするのは十五個です。∵【6】残りは、お母さんと私のおやつになります。十五個までは同じ大きさになるように、丁寧に丸めました。
「やった。十五個できた!」
 丸め終わったお団子をよく見てみると、大きさもまちまちだし、形もまん丸ではありません。【7】丁寧に作ったはずなのに、おかしいなあと心の中で思いました。そんな私の気持ちがわかったのか、お母さんは、
「上手にできたね。お母さんが子どものころは、こんなに上手に丸められなかったよ。お月様も喜んでくれるね。」
と言ってくれました。【8】ゆで上がったお団子は、もっちりしていてとてもおいしそうでした。
 十五夜では、お団子は十五個お供えするのだそうです。中秋の名月というのは、昔の暦で八月十五日のお月様のことをいうのだとお母さんが教えてくれました。【9】十五日だから十五個お供えするのかなと心の中で思いました。十五個のお団子を、まるでピラミッドのように重ねて、窓のそばに置きました。まん丸なお月様が嬉しそうにこちらを見ているような気がしました。【0】

(言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 ω)