ケヤキ の山 2 月 4 週
◆▲をクリックすると長文だけを表示します。ルビ付き表示

○じゆうなだいめい

★清書(せいしょ)

○シマウマ
 シマウマの体の模様は、まるで横断歩道のようです。横断歩道の模様はとても目立つので、シマウマの白と黒の模様も、草原の中で目立ってしまい、肉食獣に簡単に見つかってしまうのではないかと思うかもしれません。しかし、そんなことはありません。
 アフリカの日差しは強烈です。昼間、太陽がぎらぎらと照りつけて大地が熱くなると、かげろうが立ちのぼります。シマウマの住んでいるサバンナ地帯は、広くなだらかな丘のところどころに、背の低い木の茂みや、背丈の高い草むらがあります。ゆらゆらするかげろうの中で、シマウマの姿はちょうど木や草にまぎれて、見えにくくなります。あのシマ模様は、ライオンやハイエナの嗅覚がとどかないところにいるかぎり、身を守るのにとても都合がよいのです。このように、身体(からだ)を見えにくくさせる色のことを、保護色と呼びます。
 シマウマが、なぜ横断歩道のような模様をしているかについて、もう一つ説があります。それは、サシバエ(刺しバエ)から身を守るためという説です。アフリカには、ツェツェバエという大きなハエがいて、アブのように人や動物を刺します。ツェツェバエという名前は、ボツワナの言葉で「牛を倒してしまうハエ」という意味です。ハエにとっては、栄(は)えある名前かもしれません。人間がこのハエに刺されると、体の中に病原体が入って、ときには命を落とすこともあります。
 ツェツェバエの目から見ると、シマウマのシマ模様は見えにくいらしく、シマウマのまわりにたかるハエは、ほかの動物と比べてぐんと少ないのです。
 ところで、シマウマのしま模様は、一頭ずつすべて異なっています。人間の指紋には一つも同じものがありませんが、シマウマの模様もちょうどそれと似ています。私たち人間から見ると、どれも同じように見える模様ですが、一つとして同じものがありません。∵
 さて、しまのつく動物は、ほかにもいます。シマリス、シマダイ、シマヘビ、島田君。それは人間です。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(κ)