長文集  9月3週  ★ファーブルは(感)(できるだけ自由な題名で)  i-09-3
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/06/10 17:44:02
【1】「おや。」
 ファーブルは、びっくりして
立ちどまりました。小(こ)と
りのすが、あったのです。【2
】すのなかには、青空のような
いろをした、うつくしいたまご
が六つ、おぎょうぎよくならん
でいました。
「すばらしいなあ。」
 ファーブルは、むねがわくわ
くしました。

 【3】すのなかから一つとり
あげると、そっとポケットへい
れました。うれしくてうれしく
てたまりません。そのまま、池
のほうへいちもくさんにかけだ
しました。
 【4】けれど、それからしば
らくたつとファーブルは、ふー
ふーいきをきって、また、すの
ところへはしってかえりました
。【5】そし て、さっきのた
まごを、だいじそうにポケット
からとりだしたのです。
「ごめんね。」
 ファーブルは、たまごをそっ
と、もとのところへならべてや
りました。

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【6】「ごめんね。おまえは、
ノビタキって名まえのとりなん
だってね。そして、はたけのわ
るいむしをたいじして、おひゃ
くしょうさんをたすける、いい
とりなんだってね。【7】ぼ 
く、いま池のそばで、きょうか
いのぼくしさんにそれをおそわ
ったの。ちっともしらなかった
んだもの。ごめんね。」
 【8】ファーブルはそういう
と、ぴょこん と、とりのすに
あたまをさげるのでした。
 ピーチク、ピーチク……。
 【9】たまごのように、まっ
青な大空では、ひばりがしきり
にないていました。【0】

(二反長半(にたんおさなかば
)編 白木茂著 「美しい話・
いじんの心」より)