1.
日本は
世界一の
漫画王国とよばれています。
大人向けのものまでふくめると、一
年間に七
億冊以上の
漫画が
出版されています。
漫画をもとにして、アニメーションや
映画やテレビ
番組もたくさん
作られ、いろいろな
国の
言葉に
翻訳されて、
世界中の
人気を
集めています。
2. では、
漫画は、いつの
時代からあったのでしょうか。いちばん
古い漫画は、
今から
八百年ほど
前にかかれたと
言われています。それは、
京都の
高山寺という
お寺にある、「
鳥獣人物戯画」という
絵です。
3. その
中には、
人真似をして
遊ぶ動物たちがかかれています。
始まりは、
動物たちの
川遊び。
川に
飛びこむウサギや、
泳ぐサル。ウサギに
背中を
流してもらって、
気持ちよさそうなサルもいます。
別の
絵には
弓矢の
練習をしたり、
相撲をとって
遊んだりするカエルやウサギの
様子がかかれています。カエルに
投げ飛ばされて、ひっくりかえったウサギのそばで、
見物のカエルたちが
大わらいしている
絵もあります。カエルの
仏様にお
経をあげているサルのお
坊さんの
絵もあります。どの
動物も
生き生きと
描かれ、
今にも絵の
中から
飛び出してきそうです。
4. この
昔の
漫画には、セリフがかかれておらず、ストーリーもはっきりしません。しかし
絵の
中には、
今の
漫画に
似たところもあります。たとえば
今の
漫画では、すばやい
動きをあらわすために
線を
何本もひき、スピードの
出ている
様子をあらわします。
鳥獣人物戯画の
中にも、
同じようなかき
方が
見られるのです。
5. こんな
昔から、
漫画を
楽しんでいた
日本人。これからも、たくさんの
名作が
生まれ、
多くの
人に
愛されていくことでしょう。∵
6.
漫画は、
世界中に
自マンガできる、
日本の
宝です。しかし、
漫画は
絵がわかりやすいので、
字の
多い本は
読マンガ、
漫画なら
読むという
生活を
続けていると、
次第に読む力が
低下してきます。
字の
多い本を
読む一方で、
漫画も
楽しく読み、
漫画の
読み方についても
自マンガできる
国にしていきましょう。
7.
言葉の
森長文作成委員会(γ)