1. 【1】
明日は、
神社の
お祭りがあります。
天王様と
呼ばれている
お祭りです。おじいちゃんが子どものころからずっと
続いている
お祭りだそうです。
毎年、子どもたちは、
水色の
法被を
着て
神社に
集まります。【2】
私も
友だちも、
天王様をとても
楽しみにしています。
2.
神社からは、お
囃子の
笛の音が
聞こえてきました。
明日の
練習をしているのです。
太鼓の音もドンドンとおなかの
底に
響きます。【3】お
兄ちゃんが、
3.「ちょっと見てこよう。」
4.と
言うので、
私もついていくことにしました。
5.「
太鼓、たたいてみるか。ほれ。」
6. そう
声をかけられて
振り向くと、
お父さんの
友だちの中村さんがいました。【4】お
兄ちゃんは、
7.「え、やっていいの? やらせて、やらせて。」
8.と、大
喜びでバチを
貸してもらいました。
9.「ドン、ドン、ドン」
10. お
兄ちゃんは三
回、大きく
打ちました。中村さんは、
11.「もっと
思い切ってたたかないと、いい音は出ないぞ。それ、もう一
回。」
12.と
言いました。【5】お
兄ちゃんは
もう一度、
腕を大きく上げて
打ちました。
13.「ドーン、ドーン」
14.
今度はおなかに
響く音です。ほかのおじさんも、
15.「うまいなあ。
明日、たたいてみるか。」
16.と
笑っています。
褒められたお
兄ちゃんは、ちょっぴり
得意そうです。
17. 【6】しばらく
打って
満足したのか、
18.「
お前もやる?」
19.と、
私にバチを
手渡してくれました。お
兄ちゃんみたいに上手に∵できるかなあと
心配でしたが、
私も
思い切り打ってみました。
20.「ドーン。」
21.
自分でもびっくりするくらいいい音がでました。
22.【7】「おお、こりゃすごいぞ。」
23. おじさんたちが
拍手してくれました。
24.「
笛、
吹いてみるから、ちょっと
合わせてみろ。」
25. そう
言って、赤い
顔のおじさんが
笛を口に
当てました。お
囃子のメロディーは小さなころから
聞いているので、どこで
太鼓を
打つかも
知っています。
26.【8】「ピーピピーピピーピ」
27.「ドンドン」
28.
私は、
思い切り打ちました。メロディーに
合わせて、
29.「ドドン、ドドン、ドンドン」
30.と
続けます。
31.「うわあ、
楽しい。」
32. いつのまにかとてもいい
気分でたたいていました。【9】いつまでもたたいていたい
気分でした。
33.
お母さんは、よく
私のことを
恥ずかしがりやだと
言います。
私もそうだと
思っていました。でも、
恥ずかしがりやの
私はどこかへ
行ってしまったみたいでした。【0】
34.(
言葉の森
長文作成委員会 ω)