チョコレート、キャンディー 、ケーキなど、甘いお菓子を思 い浮かべるだけで幸せな気分に なれる人は多いでしょう。それ らのお菓子を作るのに大切なの が砂糖です。しかし、砂糖には ほかにもいろいろな働きがあり ます。 その働きのひとつに、カビや 微生物が増殖するのを防ぐとい うものがあります。カビや微生 物は湿ったところ、つまり、水 分のあるところが好きです。砂 糖は、食べ物の水分の周りをお おって、微生物やカビの働きを にぶらせます。ジャムや果物の 缶詰などがその例です。果物は ほうっておくと傷んだり腐った りしますが、砂糖とともに調理 することで長期間保存すること ができます。 水分を抱え込む砂糖の性質は 、生クリームや卵白の泡立てに も一役買っています。クリーム や卵のたんぱく質の水分を砂糖 が抱え込むことによって、泡が くずれるのを防ぎ、また泡同士 がくっつくのををおさえてくれ |
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ます。ふわふわのクリームを作 るのには、砂糖が欠かせないの です。 肉を煮込むときにも、その働 きが発揮されます。調理する前 の下準備の肉に砂糖をすりこん でおくと、軟らかく煮ることが できます。それは、砂糖が肉の たんぱく質の持つ水分を肉の中 にとどめておくからです。 甘さを作り出す調味料という イメージの強い砂糖ですが、実 際には水分と結びつきやすい性 質が私たちの生活の中でいろい ろな役割をはたしているのです 。 働き者の砂糖は、縁の下の力 持ちなので、決して「えっへん !」といばっているわけではあ りません。しかし、ダイエット をさけぶ人たちからは、かたき 扱いされています。「えっ? 変? 一生懸命働いているのに ……。」砂糖からそんな声が聞 こえてきそうです。 ∵ 「カビ君は、どうして砂糖が苦 手なの。」 「だって、砂糖ってサ、トウっ ても甘いんだもん。」 言葉の森長文(ちょうぶん) 作成委員会( σ) |