長文 7.3週
1. 【1】あくるとしはるに、なたねはきいろいきれいなはなをさかせました。はながちって、みがなりました。
2. 【2】そのみをあつめて、きんじろうはあぶらやさんへもっていきました。
3.「あぶらやさん。このなたねのみを、あぶらととりかえっこしてくれませんか。」
4.と、たのみました。【3】すると、あぶらやさんは、
5.「おお、きんじろうさんのつくったなたねのみだね。よしよし。」
6.と、しんせつに、あぶらととりかえてくれました。

7.【4】「こんどは、もうじぶんのあぶらだもの。おじさんだってしからないだろう。」
8. きんじろうは、よるのくるのが、まちどおしくてなりません。あんどんにあぶらをいれて、あかりをつけてほん読みよ ました。
9. 【5】ところが、おじさんは、やっぱりこわいかおして、
10.「きんじろうや。おまえはいったい、なにになるつもりじゃ。ひゃくしょうになるのに、べんきょうはいらないんだよ。あしたはあさはやくから、のらへいくのだ。はやくねなさい。」
11.【6】「はい。」
12.と、きんじろうは、またあかりをけさなければなりません。やっぱりきんじろうは、べんきょうができませんでした。

13.【7】「ああ、ひゃくしょうは、どうして、べんきょうをしてはいけないのだろう。そんなことはない。」
14.と思いおも ました。
15. 【8】けれども、おじさんにめいわくをかけてはいけません。
16.「そうだ。やまへいくみちや、たんぼへいくみちで、ほん読もよ う。」
17. 【9】くわをかつぎながら、また、しばをかつぎながら、きんじろうはほん読みよ ました。【0】

18.(二反長半(にたんおさなかばへん 白木しらきしげるちょ 「美しいうつく  はなし・いじんのこころ」より)