1.
脳は、
人間の
体の
中で
最もエネルギーを
必要とする
器官です。
脳の
重さは、
体全体の
重さのおよそ二パーセントを
占めると
言われています。たとえば、
体重が五十キログラムの
人間の
脳の
重さは、一キログラムになるというわけです。それほどの
重さを
占めているわけではありませんが、この
脳は
大変な
食いしん坊です。
人間が
必要とする
全エネルギーのうち、二十パーセントもが
脳に
使われています。しかも、ただの
大食漢ではありません。なかなかのグルメなのです。どうしてかというと、
脳がエネルギー
源として
取り込むのは、
ブドウ糖だけだからです。また、
脳は
余分なエネルギーを
蓄えておくことができないので、
絶えずブドウ糖を
補給し
続ける必要があります。
2.
ご飯やパンなどの
穀類、ジャガイモやサツマイモなどのイモ
類など、
炭水化物と
呼ばれるものは
ブドウ糖のもとになります。
体を
動かすためや
成長のためだけでなく、
脳の
働きを
活発にするためにも、きちんと
食事を
取ることは
大切だと
言えます。
眠りから
覚め、
栄養不足の
脳にとって、とりわけ
朝食は
最高の
ご馳走です。
3. こんな
実験結果があります。ラットを
迷路に
放り込むと、まず
一目散に
走り出します。しかし、
人間のように
高度な
知能を
持たないラットのことですから、すぐに
道に
迷い、あがき
始めます。あがいているラットの
脳内は、どんな
状態になっているのでしょう。
脳の
中には
様々な
働きをする
場所があり、それぞれが
自分の
役目を
果たすために
働いています。
迷路は
空間を
認識する
能力を
必要とします。
迷路に
入れられたラットの
脳内の
空間記憶を
司る部分の
ブドウ糖の
値は、
通常よりも
大きく落ち込んでいたそうです。それだけ
脳がエネルギーを
使ったということになります。
注射によって
ブドウ糖を
補給してあげたところ、
迷路抜けの
成績が
上がったという
結果も
得られました。
疲れきった
脳が、
ブドウ糖というエネルギーを
補給したおかげで
見事に
元気を
取り戻したのです。∵
4.
歩く、
走るという
大きな動作を
伴う体の
動きと
比べてみると、
脳の
仕事は、はっきりとは
目に
見えません。ですから、そんなにも
多くのエネルギーを
必要とするとは
想像できないでしょう。しかし、
多くのエネルギーが
必要だということは、それだけ
重要な
働きをしているからにほかなりません。
脳は
大変な
働き者です。
私たちが
眠っているあいだでさえひとときも
休まずに
働き続けます。
脳の
中は、
神経細胞がぎっしりとつまっていて、
体のすみずみまで
命令を
出しています。
心臓の
動きや
呼吸でさえ、
脳が
命令を
出しているおかげで
一時も
休まずに
続けられているのです。
5.「Oh!
No.(オー、ノー)
少し休みたいよ。」
6. そう
思うこともあるかも
知れません。それでも、
脳は
働き続けます。
7.
言葉の
森長文作成委員会(ω)