アカシア の山 6 月 4 週 (5)
○まんまるの月(感)   池新  
【長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。】
 日本には至るところに桜の木が植えてあり、日本人(にほんじん)は桜の花が大好きです。春、私たちの目を楽しませてくれる桜は、夏には次の年の花芽(はなめ)の準備にかかります。けれど、すぐに花は咲かず、秋冬を過ごし、春になってやっと花が咲くのには、理由があります。開花ホルモンという指令物質が夏には働いていないのです。開花ホルモンは、気温が〇度近くまで一度下がり、その後だんだん暖かくなって初めて、「花を咲かせなさい」と桜の木に指令を出します。そのため、ずっと気温が高い南の島には、桜はありません。四季のある地域だからこその花なのです。
 この開花ホルモンは、葉も関係していると考えられています。桜の代表的な種類であるソメイヨシノの場合、花が散ると葉っぱだけの葉桜になります。葉から花芽(はなめ)の成長を遅らせる物質が出ているので、葉がある間、花芽(はなめ)は開きません。冬が終わり春になりかけるころの桜には、葉が全くなくなり、それからやっと花芽(はなめ)がふくらみます。
 ところで、夏から秋にかけて、台風などで一気に桜の葉が落ちてしまうことがあります。そんなとき、桜は「葉が落ちた。花を咲かせよう」と、春ではないのに、開花することもあるようです。季節はずれの桜の花を見かけたら、葉はどうなっているか桜の木に聞いてみましょう。ハっと驚くようなハナシが聞けるかもしれません。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(Ν)∵
 【1】夜、空を見上げるとまんまるのお月様が見えることがあります。思わず「あ、満月だ」とうれしくなります。【2】また、別の日に、同じように見上げると、今度はお月様が半分だったり、三日月といって、細長くなっていたりします。【3】お月様は、本当に太ったり、やせたりしているのでしょうか? お月様も食べ過ぎたり、ダイエットしたりするのでしょうか?
 【4】実はお月様は、ずっとまんまるのままです。それも平たいのではなくて、ボールのような形をしています。【5】ですから、太陽と月と地球の位置の関係で、かげができたり、明るく光ったりするのです。【6】みなさんも実際にボールに光を当てて、実験してみてください。【7】ボールに光があたっている面だけが明るく見えるのと同じで、月が太陽にてらされている部分だけが光って見えるのです。
 【8】ところで、その丸いお月様には、本当にウサギがいるのでしょうか。
【9】「お月さん、どうですか」
「むーん。それはね……」(月は、英語でムーン といいます)【0】

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