長文 6.3週
1.わざわい転じてん て ふくとなす

2. 【1】「わざわいてんじて ふくとなす」というのは、わるいに あっても、それを きっかけにして しあわせに かえてしまう という ことわざです。【2】また わるいことが おこると 二どと おこらないように ちゅういするので、かえって しあわせに なれる という いみも あります。
3. 【3】こうつうじこで 入院にゅういんしたひとが、からだの けんさをしてもらって、 ぎゃくに びょうきが みつかったというときも、このことわざが つかえます。【4】けがをしたことは わざわいですが、ふだん いそがしすぎて やすむことも できないひとが、ゆっくりと きゅうようして、けんさを してもらって、びょうきも みつかり、けんこうになれば「さいわい」になります。
4. 【5】たいふうで いえが こわれたら 「わざわい」です。でも そのあと、みんなで ちからを あわせて あたらしい いえを つくろうとするうちに、ばらばらになっていた かぞくのこころが ひとつになれば、これは「さいわい」に なりますね。
5. 【6】「わざわいは さいわい」という ことわざも あります。これも おなじ いみです。
6. そのときは さいなんだなあと おもったことも、そのさいなんが あったことで、ほかの より大きなおお  さいなんから まぬがれることが できた ということも あるのです。【7】つまり さいなん(わざわい)が、しあわせのもとだった ということですね。
7. このことわざは、中国ちゅうごくのふるいほん史記しき』から きています。
8.【8】「ぼくは きょう いたずらをして、がっこうに のこされました。いえに かえると だれもいなくて、どろぼうが はいっていました。【9】おかあさんは 『まことが ひとりで いえに いるとき、どろぼうが きたかと おもうと、ぞっとするわ。いのこりさせられたのは、わざわいてんじて ふくとなすで ほんとうに よかったわ』と いいました。」【0】

9. 「ことわざものがたり二年生ねんせい」(西本にしもと鶏介けいすけちょ 偕成社かいせいしゃ)より