アカシア の山 6 月 2 週 (5)
○もちはもち屋(感)   池新  
もちは もち屋

 【1】おもちは、もちやさんが ついたものが いちばん おいしいということから、その みちの せんもんかに まかせるのが いちばんいい という いみの ことわざです。【2】たとえば ひっこし せんもんの会社が あります。そこに つとめている人たちは、にもつの つめかたから はこびだし、トラックにのせる ほうほうが じょうずです。【3】ひっこしさきの いえでも、 にもつを ほどいて おさめるべきところに かぐを きちんとおいて、てきぱきと しごとを かたづけていきます。【4】これを なれない人たちで やると、かぐや しょっきを こわしたり、きずつけたり しかねませんし、たいへんです。
 【5】としょかんだったら、司書が いますね。どこに どの本が あるのか、このべんきょうに ひつような本は、どれをよめば いいのか、いろいろ おしえてくれます。
 【6】また にわの木や こうえんの木を かたちよく ととのえるのは、うえ木やさんです。 みごとに かりこまれた 日本(にほん)ていえんの木を みたことがあるでしょう。【7】じゅくれんした うえ木やさんの 手でなされた げいじゅつ品と いっていいものです。これも なれない人が やると、ぶかっこうなかたちに なってしまいます。
 【8】このように、しろうとが いくら じょうずだからといっても、せんもんかには かないません。プロの人に まかせておくと あんしんです。
 【9】おとうさんは、ものおきを たてるといって しごとを はじめましたが、とちゅうで かたむいてしまいました。
「もちは もちやが いちばん。だから だいくさんに たのもうって いったじゃない。」
と おかあさんは おこっています。【0】

 「ことわざものがたり二年生」(西本鶏介(けいすけ)著 偕成社)より