長文集  6月1週  ○たつ鳥後を(感)  a-06-1
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2017/03/14 09:46:45
【長文が二つある場合、音読の
練習はどちらか一つで可。】
 【1】日曜日に、西公園に遊
びに行きまし た。お父さんと
一緒にザリガニ釣(つ)りをす
るためです。タコ糸とスルメを
用意していきました。西公園は
、もうすっかり夏です。ぼくた
ちは、竿になりそうな木の枝を
探しました。【2】すぐにちょ
うどよい大きさの枝が見つかり
ました。早速、それを拾って池
に向かいまし た。
 池には、たくさんのハスの葉
があります。のぞきこんでみる
と、水の中でハスの茎にしがみ
ついているザリガニが見えまし
た。
【3】「お父さん、あそこあそ
こ。あそこにいるよ。」
と、ぼくが指をさすと、お父さ
んも池をのぞきこみました。
「どれどれ。今日はたくさん釣
れそうだな。」
と嬉しそうです。
 リュックサックからタコ糸と
スルメを取り出して、竿の準備
を始めました。【4】お父さん
は、
「葉っぱと葉っぱの間に投げ入
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れろよ。」
と言って、ぼくに竿を渡してく
れました。ぼくは、狙いを定め
て竿を投げ入れました。思った
ところにスルメが入りました。
 ほんの十秒くらいで、スルメ
が引っ張られました。【5】ザ
リガニがスルメに気づいて食い
ついたのです。お父さんは、
「そらきた。」
と声をあげました。
「まだ引くな。ザリガニがしっ
かり食いつくまで、もうちょっ
と待てよ。よし、今だ。引  
け。」
と指示します。【6】今だと言
われたところ で、くくっと竿
を引っ張りあげると、ザリガニ
がスルメに食いついていました

「やった!」
ぼくは思わず声を上げました。

 釣り上げたザリガニを捕まえ
ようとすると、ザリガニはハサ
ミを大きく上げ、尻尾を丸めて
後ずさりします。【7】まるで
「こっちに来るな」と逃げてい
るようです。ぼくは、ザリガニ
の顔をじっと眺めてみました。
丸くて真っ黒な目をしています
。よく見ると、なかなかかわい
い顔です。
 一匹(ぴき)つかまえたあと
、同じようにして、ぼくたちは
次々とザリガニを釣り上げまし
た。
【8】「これで五匹目だ。」
と、ぼくが言うと、
「それ、こっちもまた釣れたぞ
。」
と、お父さんが言います。ぼく
は何度か場所を移動して、少し
でもたくさん釣れるように工夫
してみました。
 【9】帰るときに数えてみる
と、ぼくとお父さんの釣ったザ
リガニは、全部で十七匹でし 
た。持ってきたバケツの中で、
ザリガニたちはガサガサと音を
立てていました。【0】

(言葉の森長文(ちょうぶん)
作成委員会  ω)∵
たつ鳥 後を 濁さず

 【1】ピクニックなどに い
くと、おべんとうの からばこ
や、おかしの はいっていた 
ふくろなど、ごみが でますね
。 その ごみを きちんと 
きまった ごみばこに いれて
いますか。【2】ごみばこが 
なかったら、ごみを いえまで
、もって かえりますか。
 水鳥は、水を よごさないで
 とびたちま す。【3】「水
鳥の とびたったあとの 水べ
は にごっていない」と いう
ことから、たちさるときには 
あとかたづけをして、きれいに
しておくこと といういみの 
ことわざです。【4】ピクニッ
クなどに いっても、このこと
わざのように きちんと かた
づけてから かえりたいもので
すね。【5】「つぎにくる人に
 めいわくを かけたり、いや
な おもいを させたりしない
ように 気をつけましょう」と
いうことです。
 【6】このことわざには、「
しごとや たかい地位を しり
ぞくときには、いさぎよく や
めていくこと」という いみも
 あります。
 【7】まわりの人たちに め
いわくがられているのに、 い
つまでも そのしごとや 地位
に しがみついているのは、み
ぐるしいことです。
 「とぶとり あとを にごさ
ず」とも いいます。
 【8】おばあちゃんは、なが
いあいだ すんでいた いえか
ら マンションに ひっこすこ
とに なりました。とても ふ
るくなった そのいえを、いっ
しょうけんめい そうじ しま
した。にわにも ざっそうが 
一本も はえて いません。
【9】「もう、すまないのに 
どうして きれいに するの。

と わたしが きくと、
「たつとり あとを にごさず
と いってね。ながいあいだ 
おせわに なった いえだから
 きれいに してから ひっこ
したいの。」
と おばあちゃんは いいまし
た。【0】

 「ことわざものがたり二年生
」(西本鶏介(けいすけ)著 
偕成社)より