1.【長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。】
2.
世界でいちばん
初めに
切手ができた
国は、イギリスです。それは、
今から二
百年近く前のことでした。
3.
当時、イギリスにはすでに
郵便の
制度はありましたが、
手紙の
重さと
送る距離によって、
値段が
変わっていました。つまり、
重いものを
遠くへ
送るほどたくさんの
お金を
払わなければならなかったのです。また、その
料金も、
受け取った
人が
払う仕組みでしたから、
受け取りを
拒否する
人もたくさんいました。なかには、
空の
封筒を
送り、
家族に
受け取りを
拒否してもらい、
自分が
元気なことをただで
知らせる
人もいたそうです。
4. ここに
登場したのが、「
近代郵便制度の
父」と
呼ばれるローランド・ヒルです。
彼はその
時、
郵便の
仕事をしているわけではありませんでした。しかし、
郵便を
前払い制にして、
料金を
安く、またどこへ
出しても
同じ金額にすることを
提案したのです。
5. こうして、
世界で
最初の
切手である一ペニーの「ペニー・ブラック」と、二ペンスの「ペンス・ブルー」という二
種類の
切手が
作られました。どちらも、
当時のイギリスのビクトリア
女王の
横顔が
描かれています。
6. この
切手は、
世界で
最初の
切手だったため、イギリスの
国名は
印刷されていませんでした。
その後、この
新しい郵便制度はヨーロッパ
中に、そして
世界中に
広まりました。しかし、イギリスだけは
現在でも、
切手に
国名を
印刷していません。これは、
世界の
先頭をキッテ、
最初に
切手を
作ったという、
誇りがあるからです。
7.「ヒルさん、
切手を
最初に
作ったときは、どんな
気持ちでしたか。」
8.「うまく
行くかどうかわからないので、どきどキッテしました。」
9.
言葉の
森長文作成委員会(τ)∵
10. 【1】みなさんのおじいちゃん、おばあちゃんはお
元気ですか。
11. 【2】
年をとると、
腰やひざが
痛くなったり、うまく
動かなくなったりします。【3】また、
目や
耳や
歯も
若いころとはちがって、だんだん
衰えてきます。
12. 【4】こうした
変化を
老化と
言いますが、
実際に
自分がなってみないとどんなに
不自由かわかりません。
13. 【5】
今、いろいろなところで「シニア
体験」といって、ひざにおもりをつけたり、
見えにくいメガネをかけたりして、お
年寄りと
同じような
状態を
作って、
生活の
一部を
体験するという
試みが
行われています。
14. 【6】
普段は、
特に意識しないでひょいとまたいでバスタブにつかっている
私たちですが、二キログラムのおもりを
足につけると、へりの
高さが
高いバスタブにはなかなか
入れません。
15. 【7】また、ぐるぐると
厚いサポーターをひざにまかれてトイレに
座ってみると、
立ち上がるとき、とても
苦労します。【8】そんなとき、
手すりがあると
助かります。
16. 【9】
生活に
使ういろいろなものを
作る会社では、このような
研究をして、お
年寄りが
安全で
暮らしやすい
製品を
開発しているのです。【0】
17.
言葉の
森長文作成委員会 φ