長文集  5月4週  ○シニア体験(感)  a-05-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2015/03/16 03:20:08
【長文が二つある場合、読解問
題用の長文は一番目の長文です
。】
 世界でいちばん初めに切手が
できた国は、イギリスです。そ
れは、今から二百年近く前のこ
とでした。
 当時、イギリスにはすでに郵
便の制度はありましたが、手紙
の重さと送る距離によって、値
段が変わっていました。つまり
、重いものを遠くへ送るほどた
くさんのお金を払わなければな
らなかったのです。また、その
料金も、受け取った人が払う仕
組みでしたから、受け取りを拒
否する人もたくさんいました。
なかには、空(から)の封筒を
送り、家族に受け取りを拒否し
てもらい、自分が元気なことを
ただで知らせる人もいたそうで
す。
 ここに登場したのが、「近代
郵便制度の父」と呼ばれるロー
ランド・ヒルです。彼はその 
時、郵便の仕事をしているわけ
ではありませんでした。しかし
、郵便を前払い制にして、料金
を安く、またどこへ出しても同
じ金額にすることを提案したの
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です。
 こうして、世界で最初の切手
である一ペニーの「ペニー・ブ
ラック」と、二ペンスの「ペン
ス・ブルー」という二種類の切
手が作られました。どちらも、
当時のイギリスのビクトリア女
王の横顔が描かれています。
 この切手は、世界で最初の切
手だったため、イギリスの国名
は印刷されていませんでした。
その後、この新しい郵便制度は
ヨーロッパ中(じゅう)に、そ
して世界中に広まりました。し
かし、イギリスだけは現在でも
、切手に国名を印刷していませ
ん。これは、世界の先頭をキッ
テ、最初に切手を作ったという
、誇りがあるからです。
「ヒルさん、切手を最初に作っ
たときは、どんな気持ちでした
か。」
「うまく行くかどうかわからな
いので、どきどキッテしました
。」

 言葉の森長文(ちょうぶん)
作成委員会( τ)

 【1】みなさんのおじいちゃ
ん、おばあちゃんはお元気です
か。
 【2】年をとると、腰やひざ
が痛くなった り、うまく動か
なくなったりします。【3】ま
た、目や耳や歯も若いころとは
ちがって、だんだん衰えてきま
す。 
 【4】こうした変化を老化と
言いますが、実際に自分がなっ
てみないとどんなに不自由かわ
かりません。 
 【5】今、いろいろなところ
で「シニア体 験」といって、
ひざにおもりをつけたり、見え
にくいメガネをかけたりして、
お年寄りと同じような状態を作
って、生活の一部を体験すると
いう試みが行われています。 
 【6】普段は、特に意識しな
いでひょいとまたいでバスタブ
につかっている私たちですが、
二キログラムのおもりを足につ
けると、へりの高さが高いバス
タブにはなかなか入れません。
 【7】また、ぐるぐると厚い
サポーターをひざにまかれてト
イレに座ってみると、立ち上が
るとき、とても苦労します。【
8】そんなと き、手すりがあ
ると助かります。 
 【9】生活に使ういろいろな
ものを作る会社では、このよう
な研究をして、お年寄りが安全
で暮らしやすい製品を開発して
いるのです。【0】

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作成委員会 φ