長文集  5月1週  ○一銭を笑う者は(感)  a-05-1
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2017/03/14 09:46:34
【長文が二つある場合、音読の
練習はどちらか一つで可。】
 【1】先週の日曜日は、母の
日でした。私とお姉(ねえ)ち
ゃんは、何をプレゼントしよう
か相談しました。いろいろ考え
て、ホットケーキを作ることに
決めました。お母さんに、
「今日は私たちがホットケーキ
を作ってあげるよ。」
と言いました。【2】お父さん
にも手伝ってもらおうと思った
ら、
「お父さんは、食べる当番だよ
。」
と言ったので、みんなで大笑い
しました。
 まず、お姉(ねえ)ちゃんは
、玉子と牛乳をボウルに入れて
かき混ぜます。【3】私は、ホ
ットケーキミックスを別のボウ
ルに入れまし た。そこへ、お
姉(ねえ)ちゃんが玉子と牛乳
を入れました。そのあとは、泡
立て器(き)でかきまぜます。
「さっくりかき混ぜてね。さっ
くりだよ。」
と、お姉(ねえ)ちゃんが指示
します。【4】さすがにお姉(
ねえ)ちゃんだなと思いまし 
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た。お姉(ねえ)ちゃんの夢は
パティシエになることなのです
。何回かかき混ぜると、生地は
とろりとなめらかになりました

 いよいよ焼きます。【5】ち
ょうどそのと き、お母さんが
のぞきに来て、
「大丈夫? 手伝おうか。」
と言いました。お姉(ねえ)ち
ゃんは、
「お母さんは座ってて。母の日
なんだから。」
と言いながら、フライパンに生
地を流し入れました。
【6】「まん丸にするには、高
いところから一気に流すんだっ
て。」
と、お姉(ねえ)ちゃんが教え
てくれました。みるみるうちに
、フライパンに生地が広がって
いきます。どうしてこれでまん
丸になるのだろうと、私は不思
議に思いました。∵
 【7】しばらく待っていると
、ホットケーキの表面に小さな
泡が出てきました。泡が全体に
広がったら、ひっくり返す合図
なのだそうで す。
「そうれ!」
お姉(ねえ)ちゃんが思い切っ
てひっくり返しました。ホット
ケーキは、ストンとフライパン
の上にひっくり返りました。【
8】まるで宙返りをしたようで
す。とてもおいしそうなきつね
色(いろ)に焼きあがりました
。私は、
「すごい。お母さんが作ったみ
たい。」
と言いました。
 全部で八枚焼きました。私が
焼いたものは失敗作です。うま
くひっくり返せなくて変な形に
なってしまったからです。【9
】でも、お父さんは、
「この変な形も、なかなか面白
くていいな  あ。」
と言ってくれました。
 焼きあがったホットケーキは
、メープルシロップとバターを
たっぷりかけて食べます。お母
さんは、
「おいしい、おいしい。本当に
上手にできた ね。」
と、にこにこしながら食べてく
れました。【0】

(言葉の森長文(ちょうぶん)
作成委員会  ω)∵
一銭を笑う者は一銭に泣く

 【1】「一銭」は、 一円よ
りも やすい むかしの お金
で、いまは つかわれていませ
ん。【2】だから 一銭を 一
円と おきかえて かんがえて
みれば、よくわかるでしょう。
【3】どんな 小さいお金でも
、けっして そまつにしてはい
けない という ことわざで 
す。
 【4】かいものに いったと
き、たった 一円 たりなくて
も、かいたいものは かうこと
が できません。でんしゃのキ
ップだって おなじです。
 【5】ゆうくんは かいもの
にいく とちゅう、ポケットか
ら 一円だまを おとしまし 
た。
「なんだ、一円ぐらい いいや
。」
と ゆうくんは ひろいません
でした。【6】ところが その
あとで けしゴムを かおうと
したら 五十一円と いわれま
した。【7】でも、お金は 五
十円しかありません。しかたな
く 一円を とりに いえへ 
もどりました。
 【8】こんなことに ならな
いためにも、日ごろから お金
は たいせつにすることです。
 【9】どんな大金も 一円か
ら はじまるのです。 だから
 このことわざは、せつやくや
 ちょちくを すすめるときに
も つかわれます。【0】

 「ことわざものがたり二年生
」(西本鶏介(けいすけ)著 
偕成社)より