長文集  6月2週  ★人間の体はオーケストラの(感)  1a-06-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2012/06/15 08:09:22
 人間の体はオーケストラのように響き合っ
て、全体として一つのまとまった一定の波動
を出しています。しかしそのことは、ふだん
は自覚できません。ちょうど地球がぐるぐる
と回っているのに、そんなことを意識しない
のとまったく同じです。
 私たちの回りにはテレビの電波やら携帯電
話の電波などが錯綜して飛び交っているけれ
ども、そういう自覚も私たちはほとんどあり
ません。目に見えない、体で感じないことに
私たちはかなり鈍感なのです。
 でも波動を活用するためには、目に見えな
いものや体で感じられないものへのきめ細か
い感受性を持つことが求められます。そうい
う見方をしていかないと、なかなか波動とい
うものの真の価値を理解することができませ
ん。
 「見えないものはない」「五感で感じられ
ないものはない」「科学的に合理性のないも
のは信じられない」という感覚の持ち主は、
波動的人生は送れないといってよいでしょう
。実際は感じないことなどありえないのです
。ただその感じたものを、自分の心でどうと
らえるかが人によって異なっているのです。
 たとえば氷に触れれば誰でも冷たいと感じ
ます。しかしそれは、ただ冷たいという感覚
だけでは物理的な温度を感じただけなので 
す。ガラスにさわってみるとやはり冷たい。
でもその冷たさを「ひんやりしていい気持ち
だね」と感じるときもある。きめ細かな感受
性とはそういう感じ方のことです。
 このような感受性を養うには、握手をする
のがいちばんよい方法です。握手をするとき
ただ手を握るのではなく、こちらの想いを込
めて握るのです。そうするとその想いは相手
に伝わると同時に、相手の気持ちもこっちに
入ってくる。そういう感じがするかどうかを
意識してやってみることです。
 そうした感受性が養われると、波動という
ものが直接感じられるようになります。たと
えば目を見ただけで相手の気持ちがピンとわ
かるようになる。目は波動を出していますか
ら、それをキャッチできるのです。
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 自分が愛している人の言動には誰でも敏感
です。新婚ホヤホヤの奥さんなら、旦那さん
の玄関の開け方、靴の脱ぎ方、「ただいま」
という声の調子、そういうものから心理状態
を読み取れる。愛しているからそれがわかる
のです。∵
 同じように私たちは自然を愛し、人生を愛
することができれば、自然のささやきも人生
のすばらしさもひしひしと伝わってくる。も
しいま人生がつまらない、自然など忙しくて
関わっている暇がないと思うようだったら、
かなり波動的な人生から遠ざかった心理状態
にある。はっきりいって不健康な心の状態で
す。
 前にも申し上げたように人間の体はアンテ
ナなのです。発振アンテナを持っている。同
時に受信アンテナを持っている。人間はみん
なほぼ同じような発振、受信アンテナを持っ
ていますので、自分が発振した気持ち(波動
)がむこうに通じるということを信じること
も大切です。
 人間同士のコミュニケーションは、言葉や
行動よりも波動が理想的です。波動は瞬時に
すべてを理解する。脳の働きでいえばデジタ
ル脳の左脳ではなく、アナログ脳の右脳で理
解する方法です。
 こういう理解ができる感受性を養うには、
自然にできるだけ触 れ、自然の持つ密やか
できめ細かな営みを知ることが一番です。
 (「蘇生力」中根滋 ビジネス社より)