カエルは両生類ですから、陸 上の生活にも水中の生活にも、 どちらにも都合のよい体のつく りをしています。 まず、体全体を見てみましょ う。先のとがった頭、首がなく 頭がそのまま体につながった形 は、水を切って泳ぐのに大変便 利です。 うしろ足は、指と指のあいだ に薄い膜がある水かきになって いて、水をいきおいよく蹴るこ とができます。しかし、水かき が小さく、泳ぐのがへたなカエ ルもいます。それは、ヒキガエ ルで、卵をうむときのほかには 、ほとんど水に入りません。ま た、アマガエルやモリアオガエ ルは、指先に何にでも吸いつく 吸盤がついていて、木の枝や葉 に登って暮らします。 カエルのうしろ足の腿は、丈 夫な筋肉がはりめぐらされてい て、水や地面を強く蹴ることが できます。アメリカのカリフォ ルニアでは、毎年世界中からカ エルを集めて、カエルとび大会 がひらかれます。ウシガエルは 三段跳びのチャンピオンで、こ れまでに五メートルという記録 |
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がのこっています。これは体の 長さの約二十五倍です。人間は 、オリンピックの選手でもせい ぜい身長の約十倍ですから、大 変な跳躍力で す。 カエルは夜行性の動物です。 昼は穴の中や茂みに隠れていて 、夜になると活発に動きまわり ます。その暮らしに合うように 、昼は瞳を絞りこんで光をおさ え、夜は、少しの光でも物が見 えるように瞳を全部開きます。 目の構造も変わっています。 人間とは反対に目の下まぶたが 動きます。陸にいるとき、下ま ぶたは下がったままですが、水 の中に潜ると、さっと下まぶた が上に動いて目を覆ってしまい ます。下まぶたが透明ですから 、ちょうど備えつけの水中メガ ネのようです。∵ カエルには、このほかにも変 わった種類がいます。 ヒックリカエル、デングリガ エル、イキカエル、ツッカエル 、ソリカエル、キガエル、ハキ カエル、トッカエル。それでは 、そろそろ、モウカエル。 言葉の森長文(ちょうぶん) 作成委員会( Κ) |