1. 【1】
夜空を
明るく照らす丸い月。
昔から、
月にはウサギがいて、おもちをついていると
言われています。
確かに、
月の
模様をよく
見ると、
杵を
持ったウサギがおもちをついているように
見えます。【2】しかし、
月に
住んでいるのはウサギだけではないようです。
北ヨーロッパでは、
月の
模様を、
本を
読むおばあさんや
水を
運ぶ男女に
重ね合わせています。【3】さらに、
南ヨーロッパでは、
大きなはさみを
持ったカニ、
東ヨーロッパでは
横向きの
女性、アラビアではほえているライオン、カナダではバケツを
運ぶ少女など、
同じ模様でも
国によってとらえ
方はさまざまです。
2. 【4】では、どうして
月には
模様があるのでしょうか。それは、
月にはクレーターや
海などがあり、
地球から
見ると、クレーターは
白っぽく、
海は
黒っぽく見えるためです。この
海の
部分がウサギになったり、カニになったり、ライオンになったりするのです。【5】
海と
言っても、
地球の
海のように
水があるわけではなく、
濃い色の
玄武岩でおおわれた
平原となっています。
月の
海は、
月の
地表の十六パーセントを
占め、そのほとんどが
月の
表と
呼ばれる
地球を
向いている
側にあります。【6】ですから、
地球に
住む私たちは、その
模様を
楽しむことができるのです。まるで、
月がこちらを
向いて、
私たちにつきあってくれーたーかのようです。
3. 【7】
月は
地球よりも
小さいために
重力も
小さく、
大気をつなぎとめておくことができません。
地球に
落ちてくる
隕石のほとんどは、
地球の
大気との
摩擦で
燃え尽きてしまいますが、
月には
大気がないので
隕石がそのままぶつかります。
隕石がぶつかった
跡も、
月の
模様となっています。
4. 【8】ガリレオは、
初めて望遠鏡で
月のクレーターを
見たとき、「
青眼をちりばめたクジャクの
尾のようだ」と
言ったそうです。∵【9】
望遠鏡で
見る月には、
肉眼で
見るのとはまた
違った
感動があります。
望遠鏡のなかった
昔の
人たちが
月を
見て
想像をふくらませたように、ときには、
夜空を
見上げて
自由に
空想を
広げてみるのもおもしろいものです。【0】
5.
言葉の
森長文作成委員会(Λ)