1. カタツムリとナメクジは、どちらも
巻き貝のなかまで、
大昔、
海に
住んでいました。
海に
住んでいたころは、ナメクジにも
殻があったのですが、どういうわけか、ナメクジは
殻を
捨ててしまいました。もっと
身軽になりたいと
思ったのかもしれません。カタツムリは、
海に
住んでいたときのまま、
今でも
殻をつけています。
殻のないナメクジは、
水気のないところではからからになってしまいます。
一方、カタツムリは、
雨が
降るまで、
殻の
入り口に
膜をはって
待つことができます。
2. カタツムリの
殻は、ヤドカリのようにだれかにもらったものではなく、
生まれながらに
身につけているものです。この
殻は、
体からしみ
出した
石灰分で
作られ、
体にくっついているので、カタツムリの
殻と
体とを
引きはなすことはできません。この
殻があるおかげで、カタツムリは、いつでも
敵から
身をかくすことができますが、ナメクジは、カタツムリのように
殻の
中にかくれることができないので、
夜にしか
行動しません。
3. ナメクジに
塩をかけると
小さくなっていきます。これは、
塩をかけられたことによって、ナメクジの
体の
中の
水分が
外に
出ていくためです。
塩だけではなく、
砂糖やこしょうでも
同じです。ナメクジは、とけていなくなってしまったように
見えますが、じっさいには、
水分がなくなったために
小さくなるだけです。もちろん、そのままにしておくと
死んでしまいますが、
水をかけてやると、まるで
魔法をかけられたように、また
元気になります。
4. もともとは
海の
中の
生き物だったカタツムリとナメクジ。
陸に
上がってからは、
殻を
捨ててしまったナメクジの
方が
苦労が
多そうです。
歌にも
歌われて
人気のあるカタツムリに
比べると、ナメクジは
少し分が
悪いようです。ナメクジは、びんぼうくじをひいてしまったと
思っているかもしれません。
5.
言葉の
森長文作成委員会(Λ)