長文集  10月4週  ○カタツムリとナメクジは  0u-10-4
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2016/11/04 14:03:10
 カタツムリとナメクジは、ど
ちらも巻き貝のなかまで、大昔
、海に住んでいました。海に住
んでいたころは、ナメクジにも
殻があったのですが、どういう
わけか、ナメクジは殻を捨てて
しまいました。もっと身軽にな
りたいと思ったのかもしれませ
ん。カタツムリは、海に住んで
いたときのまま、今でも殻をつ
けています。殻のないナメクジ
は、水気のないところではから
からになってしまいます。一方
、カタツムリ は、雨が降るま
で、殻の入り口に膜をはって待
つことができます。 
 カタツムリの殻は、ヤドカリ
のようにだれかにもらったもの
ではなく、生まれながらに身に
つけているものです。この殻は
、体からしみ出した石灰分で作
られ、体にくっついているの 
で、カタツムリの殻と体とを引
きはなすことはできません。こ
の殻があるおかげで、カタツム
リは、いつでも敵から身をかく
すことができますが、ナメクジ
は、カタツムリのように殻の中
にかくれることができないので
、夜にしか行動しません。
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 ナメクジに塩をかけると小さ
くなっていきます。これは、塩
をかけられたことによって、ナ
メクジの体の中の水分が外に出
ていくためで す。塩だけでは
なく、砂糖やこしょうでも同じ
です。ナメクジは、とけていな
くなってしまったように見えま
すが、じっさいには、水分がな
くなったために小さくなるだけ
です。もちろ ん、そのままに
しておくと死んでしまいます 
が、水をかけてやると、まるで
魔法をかけられたように、また
元気になります。
 もともとは海の中の生き物だ
ったカタツムリとナメクジ。陸
に上がってからは、殻を捨てて
しまったナメクジの方が苦労が
多そうです。歌にも歌われて人
気のあるカタツムリに比べる 
と、ナメクジは少し分が悪いよ
うです。ナメクジは、びんぼう
くじをひいてしまったと思って
いるかもしれません。
 言葉の森長文(ちょうぶん)
作成委員会( Λ)