長文集  12月2週  ○地球の友達、月  00u-12-2
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2014/09/10 12:30:27
 夜の道を歩いていると、何かが黙ってつい
てきます。あなたが止まると、それも止まり
ます。あなたが歩きはじめると、またどこま
でもついてきます。
 もちろん、キツネやお化けなどではありま
せん。夜空に明るく輝くもの、それはお月さ
まです。
 月がついてくるのは、電車に乗っていても
同じです。電車の窓から見ると、家や電信柱
は、どんどん後ろへ飛び去っていきます。遠
くに見える山も、近くの家々ほどではありま
せんが、少しずつ後ろの方へ動いていくよう
に見えます。しかし、空に浮かぶ月は山を越
え、町を越え、電車の中のあなたについてく
るように見えます。
 家、電信柱、山、月。これらを比べて違う
のは、電車からの距離です。つまり、遠くの
ものほど、動かないように見えるのです。
 月は、わたしたちの地球を三十個ぐらい並
べたほど先にある空のかなたに浮かんでいま
す。ですから、地球の上を少々移動したくら
いでは、月の位置は変わらないように見える
のです。
 もちろん、月よりもっと遠くの太陽でも、
同じことが言えます。あなたがどんなに動い
ても太陽はついてきます。しかし、太陽はま
ぶしすぎて、あまり見上げることはありませ
ん。やはり、夜、明るい月が一緒についてく
るところにこそ、不思議さがあるのでしょ 
う。
 地球は月の四倍の大きさです。したがって
、もし、月の上を歩きながら地球を見ると、
月よりも四倍大きい、青く美しい地球がつい
てきます。月と地球のツキあいは、遠くても
深いものなのです。

「ねえ、どうしてついてくるの?」
「だって、ツキだから。」
「では、もし太陽だったら?」
「やっぱり、ついて行きタイヨウ。」
「甘えん坊なんだね。」∵

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