1. 今、
地球上には、百五十万
種類を
超える生物がいます。そのうちの八十万
種類が
昆虫で、四十万
種類が
動物で、
残りの三十万
種類が
植物です。もし、
世界が十
種類の
生物の村だったら、五
種類が
昆虫で、三
種類が
動物で、
残りの二
種類が
植物ということになります。
昆虫の
種類がずいぶん多いということがわかります。もしかすると、
昆虫がこの
地球でいちばん元気よく
暮らしていると言えるのかもしれません。そう言えば、ゴキブリなどは、元気のかたまりのようです。
2.
生物は、
約三十
億年前に
原始的な
生物から
進化してきました。
進化の
過程で
絶滅した
生物も
含めると、今の
生物の
種類の百
倍、一
億五千万
種類もの
生物がいたと
推定されています。
3. どの
生物も自分が生きるのに
都合のよい形をしています。
例えば、キリンは首が長いので、遠くにいる
敵を見つけたり、高い木の
枝の
葉を食べたりすることができます。ゾウは
鼻が長いので、自分の
鼻をホースがわりにしたり、
鼻を手のように
使ったりすることができます。三グラムしかないジネズミは、自分の小ささをうまく生かして生きています。
逆に百三十トンもあるクジラも、自分の大きさをうまく生かしていきています。このジネズミとクジラがシーソーをしたとすると、つりあいを
取るためには、一頭のクジラの
反対側に、四千万
匹以上ものジネズミがぶらさがらなければなりません。これぐらい
違いのある
生物がそれぞれ、自分の
長所を上手に生かして生きているのです。
4. このように多くの
種類の
生物がいる
理由を、
昔は、
神様が作ったからだと考えていました。しかし、いくら
神様でも、百五十万
種類もの
生物を作るのは
大変です。それでも、
昔の人は、
神様ならそういう
神業ができると考えていたのです。
5. 十八
世紀に、ゾウの
化石を
研究した
学者が、
生物の中には
既に絶滅したものがあるということを
発見しました。ラマルクは、この∵考えを
発展させて、
生物の
種が
変化するという
説を
述べました。
例えば、キリンは、高いところに生えている
葉を食べるために、首を長く
伸ばしているうちに、今のようなキリンになったと言うのです。
6. しかし、この
説には
重大な弱点がありました。
確かに一頭のキリンの一生
に関して言えば、高いところの
葉を食べようとしているうちに、だんだんと首が長くなるということは言えるかもしれません。しかし、その首の長さがそのまま
子供に
受け継がれるかどうかということはわかりません。
7. みなさんのお父さんやお母さんが
子供のときにしっかり
勉強してくれたおかげで、あなたは生まれつき何でも知っていたということになれば、これほどいいことはありません。しかし、
実際には、あなたはあなたでまた
最初からお父さんやお母さんがしたのと同じ
勉強をしなければなりません。こういうことを見ると、親の
獲得した
能力がそのまま
子供に
受け継がれるということはないようです。
8. ラマルクの
説を
批判する
学者は、
次のような
実験をしました。まず、ネズミのしっぽを
短く切ってしまいます。ネズミにはかわいそうですが、しっぽだけなので
命には
別状がなかったというところが少しほっとするところです。このしっぽを切ったネズミから生まれたネズミのしっぽも、また
短く切ってしまいます。このようにして、何
代もしっぽを
短く切ったにもかかわらず、生まれる
子供はいつもしっぽの長いネズミでした。
9. しかし、この
実験は、ラマルクの
説を
批判するにはあまり
確かなものとは言えませんでした。なぜなら、ネズミは自分から
進んでしっぽを
短くしようとしたのではなく、
無理矢理しっぽを
短くさせられたからです。この
実験のために何
匹ものネズミのしっぽを切った
学者は今ごろ、「しっぽの
実験はしっぽい(
失敗)だったなあ」と思っているかもしれません。
10.
言葉の森
長文作成委員会(Σ)