長文 8.4週
1. 【1】
世界には、
人間に
発見されていない
動物や
植物がまだたくさんあります。もしそうした
新種の
動植物が
発見されると、「
学名」がつけられます。【2】「
学名」には、
ラテン語が
使われることが
多く、
全世界の
学者が
共通でわかるようになっています。たとえば、「
犬」という
動物は、
英語では「ドッグ」、
フランス語では「シャン」、タイ
語では「マー」、と
国によって
言い方がちがいます。【3】しかし、「
学名」では、
世界中共通で「カニス」ということばを
使うのです。
2. 【4】
学名は、
主に
ラテン語で
作られますが、
中には
日本語をもとにしたものもあります。
3. 【5】ニホンザルは、
学名をマカカ・フスカタと
言います。この「マカカ」は、「お
尻がまっかっか」という
日本語からつけられました。また、トキの
学名はニッポニア・ニッポンと
言います。【6】
昔日本にはこのトキがたくさんいて、
群れとなって、
美しいピンク色の
姿で
空をそめたこともあるそうです。
4. 【7】
人間にも、
学名があります。それはホモ・サピエンスといって、
ラテン語で「
知恵のある
人」という
意味です。
5. 【8】
今、
ラテン語を
普通の
生活で
使っている
場所はありません。
ラテン語は、もともとイタリア
半島に
住んでいたラテン
人の
言葉でした。それが
ローマ帝国の
言葉となったために、ヨーロッパ
中に
広がったのです。
6. 【9】どうして
学名に
ラテン語が
多く使われるのかというと、
今の
世の中で
使われていないために、かえって
世の中の
動きに
左右されない
本来の
意味が
伝わるからだというのが一つの
理由のようです。【0】
7.
言葉の森
長文作成委員会