00アカシア の山 6 月 1 週
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★自由(じゆう)な題名(だいめい)
○土や水であそんだこと、たまごを使った料理
○めだつ人

○ひばりは、どうして、高い空に(感)
【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
 【1】たくさんの本を置いてある図書館。好きな本をさがしたり、何かを調べたりすることができて、本当に便利です。【2】図書館のある場所から遠くに住んでいる人のためには、図書館の本を積んだバスが、決まった日に来てくれるところもあります。これを移動図書館といいます。
 【3】移動図書館は、世界中にあります。たいていは、バスに本をつんだ「図書館バス」ですが、なかには、かわった移動図書館もあります。【4】たとえば、モンゴルという国では、ラクダが本を積んでさばくの道を行く、「図書館ラクダ」がいるそうです。ヨーロッパの北では、トナカイのそりに本をのせていく「図書館トナカイそり」があって、雪や氷の上をすいすいと本を運んでくれるそうです。【5】タイという国では、ゾウの背に本をつんだ「図書館ゾウ」がいるそうです。ゾウは、どんなに木がおいしげったジャングルの道も平気で進んでいき、山奥の村の学校に本を届けてくれるそうです。
 【6】国が広いところでは、ヘリコプター図書館もあるそうです。しかし、もちろんヘリコプターの上から本をばらまくわけではありません。
 【7】また、インドネシアでは、日本(にほん)の人たちの寄付も使って、オートバイで本を運ぶ、「バイク図書館」もできました。どうしてかというと、インドネシアでは、大きい津波があって、村も道もめちゃめちゃにされてしまったからです。【8】しかし、バイクなら、じゃまなものがふさいでいる道も通りぬけていくことができるのです。
 世界には、貧困や戦争のために、生きるだけで精一杯という暮らしを送っている人たちがいます。【9】しかし、そういうところにこそ、図書館を作ろうという人がいるのです。図書館ができると、人々は、食べ物にもこまっていても、いえ、生きるのにぎりぎりの厳しい生活だからこそ、喜んで本を借りに来るというのです。【0】そして、それらの人々は、こう言います。∵
 「図書館は、人間らしく生きるための、命の灯台だ」と。
 この話、「本、灯台(ほんとうだい)」!

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(λ)∵
ひばりは、どうして、高い空に

 【1】春になると、ひばりが、むぎばたけや、かわらの草のあいだから、高くとびあがって、さえずりはじめますね。
【2】「あ、ひばりだ。いい声だなあ。」
と、わたしたちは、白い雲の下に、まめつぶのようにみえるひばりを、みあげたりします。
 【3】ひばりが、高い空にとびあがってなくのは、
「いよいよ春もさかりになったぞ。【4】このあたりは、わたしのりょうぶんだぞ。」
と、声をあげて、なかまにしらせるためです。
 【5】すこしはなれた高い空で、ピーチク、ピーチク、ないているべつのひばりも、
「こっちは、わたしのりょうぶんだ。【6】きみのりょうぶんは、あらさないよ。」
と、こたえているのです。
 【7】もし、べつのひばりが、じぶんのりょうぶんにはいると、おこって、とびかかり、じぶんのりょうぶんのそとへ、おいだしてしまいます。
 【8】そのうえで、めすのひばりに、じぶんのりょうぶんをしらせて、
「こっちへおいで。いっしょにくらそう。」
と、よぶ、なき声をたてるわけです。
 【9】どんなけものでも、鳥でも、じぶんのりょうぶんというものがあって、いろいろのしかたで、なかまにしらせあっているのです。【0】

「理科なぜ? なぜかな」(宮下正美(みやしたまさみ)著 偕成社)より