1日本の大地に根をおろしたいねは、たくさんのみのりをあげてくれました。たくさんとれれば倉庫にたくわえ、保存することができました。
人口もふえていきました。2すこしばかり異常気象がきても、もう以前のように、餓死するようなことは、すくなくなっていったからです。
人口がふえれば、もっとおおぜいの力をあわせることができました。いままでよりも大きな川から、水を引くことができました。3もっとたくさん、水田をひらくことができました。すると、もっとたくさんお米をつくることができました。
倉庫のたくわえも、どんどんふえていきました。
4こうして、十人の人をやしなうのに、八人の労働でまにあうようになったとき、あとのふたりは王や貴族になることができました。宗教家になり、芸術家になり、学者や技術者や医者になり、商人になることができました。
5余分のお米があれば、よその村でつくったべつの品物と、こうかんすることもできました。米づくりのための道具、くわやすきや、道具をつくるための鉄などと、こうかんすることもできました。布や着物とこうかんすることもできました。6神に祈りをささげるためのまが玉や、首かざりや、その原料の石ともこうかんすることができました。金、銀、銅などのたからものや、動物の毛皮とも、こうかんすることができました。
米を運ぶための船。その船ともこうかんすることができました。
7食糧がたくさんとれるということは、なんとすばらしいことでしょう。
毎年毎年おなじように、つくれるということも、なんとありがたいことでしょう。
そして、保存できるということも、なんとたいせつなことでしょう。
8文明というものは、このようにしてしだいしだいに発達していったのです。村々も、しだいしだいに大きくなっていったのです。
「農業は文明の母である。」といわれています。それは、このような意味からです。
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