約六千五百万年前に恐竜が絶滅すると、哺乳類が急速に繁栄しはじめました。最初の哺乳類は、今のネズミに似ていました。哺乳類は、体温を一定に保つしくみを体の中に持っていたので、いろいろな環境で暮らすことができ、多くの種類に分かれていきました。
アフリカでは、サルの仲間である霊長類が、さまざまな進化をしていきました。その中でも、森の中で暮らしていた霊長類が、私たち人類の祖先だと言われています。彼らは、果物などを食べて、一日のほとんどを木の上で過ごしていました。木の上は食料がたくさんあり、猛獣から身を守るのにも都合がよく、暮らしやすい場所だったと考えられます。
森の木の上に住んでいた霊長類が、どのようにして人類の祖先に進化したのでしょう。これについては、次のような説があります。
ちょうどこのころ、火山が活発に活動し、大きな地震が起こり、アフリカ大陸を南北に貫く「アフリカ大地溝帯」が形成されました。富士山よりも標高の高い、長い山脈ができたことによって、その東側はだんだん乾燥し、もともとジャングルだった場所が草原に変わっていきました。
草原で生きていくために、霊長類は木から下りなくてはなりませんでした。豊かな森と比べると、草原は食料が少ない上、猛獣にも見つかりやすく、おそわれる危険がありました。獲物をつかまえたり、敵をいち早く見つけて逃げるためには、より遠くを見渡す必要があったのでしょう。草原で生活を始めた霊長類は、二本足で立って歩き始めました。これが人類の祖先です。
直立二足歩行を始めたことで、人類の祖先は、ほかのサルとは明らかに違う道を歩み始めました。彼らは、自由になった前足を
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