長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
いったい、ジャングルの破壊は何が原因なのでしょうか。
こうした地球的規模の問題には、次にあげるふたつの大きな、根本的な原因があると思います。ひとつは、ジャングルがある国はいずれも発展途上国であり、貧しいこと。もうひとつは、先進国のむだの多いライフスタイル(暮らし方)です。
まず発展途上国の場合は、人口増加にともなって、ジャングルを大規模に切り開いて農地にしたり、都市の人々を移住させたりしています。また薪木の消費量が多くなり、森がどんどんへっているため、女性は何時間もかけて遠くの森まで薪木を拾いに行かなくてはならないような状況も生じています。薪木が手にはいりにくくなったからといって、燃料をガスや電気にかえることもできません。こうした結果が、ジャングルの破壊につながっているケースもあります。
また発展途上国にとっては、ジャングルの木々が重要な資金源でもあります。ジャングルは自然がつくったものですから、新たに何かをつくり出す必要がなく、切って輸出すればお金になります。マレーシア、インドネシア、フィリピンなど、ジャングルの破壊が大きな問題になっている国では、いずれも木材の輸出が国の経済の柱となっています。
しかし発展途上国の経済を支える熱帯の木材も、価格は今、戦後最低です。結局、今の世界全体の経済構造そのものが、豊かな先進国が動かしているような感じですから、いつも買いたたかれてしまうんです。安いから、いくら切って売っても、たいしてお金にはならなくなってしまっています。
ただでさえ苦しい国の経済状況に加えて、外国からの借金も返さなくてはなりません。そのためには、ジャングルを伐採するのもいたしかたない、伐採をやめるわけにはいかないという事情があるのです。
そのいっぽう、豊かな先進国では使い捨てのものがふえるなど、
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