a 長文 8.1週 i
 明日あしたは、神社じんじゃお祭り まつ があります。天王様てんのうさま呼ばよ れているお祭り まつ です。おじいちゃんが子どものころからずっと続いつづ ているお祭り まつ だそうです。毎年まいとし、子どもたちは、水色みずいろ法被はっぴ神社じんじゃ集まりあつ  ます。わたし友だちとも  も、天王様てんのうさまをとても楽しみたの  にしています。
 神社じんじゃからは、お囃子はやしふえの音が聞こえき  てきました。明日あした練習れんしゅうをしているのです。太鼓たいこの音もドンドンとおなかのそこ響きひび ます。兄ちゃんにい   が、
「ちょっと見てこよう。」
言うい ので、わたしもついていくことにしました。
太鼓たいこ、たたいてみるか。ほれ。」
 そうこえをかけられて振り向くふ む と、お父さん とう  友だちとも  の中村さんがいました。兄ちゃんにい   は、
「え、やっていいの? やらせて、やらせて。」
と、大喜びよろこ でバチを貸しか てもらいました。
「ドン、ドン、ドン」
 お兄ちゃんにい   は三かい、大きく打ちう ました。中村さんは、
「もっと思い切っおも き てたたかないと、いい音は出ないぞ。それ、もう一かい。」
言いい ました。兄ちゃんにい   もう一度  いちどうでを大きく上げて打ちう ました。
「ドーン、ドーン」
 今度こんどはおなかに響くひび 音です。ほかのおじさんも、
「うまいなあ。明日あした、たたいてみるか。」
笑っわら ています。褒めほ られたお兄ちゃんにい   は、ちょっぴり得意とくいそうです。
 しばらく打っう 満足まんぞくしたのか、
お前 まえもやる?」
と、わたしにバチを手渡してわた てくれました。お兄ちゃんにい   みたいに上手に
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できるかなあと心配しんぱいでしたが、わたし思い切りおも き 打っう てみました。
「ドーン。」
 自分じぶんでもびっくりするくらいいい音がでました。
「おお、こりゃすごいぞ。」
 おじさんたちが拍手はくしゅしてくれました。
ふえ吹いふ てみるから、ちょっと合わせあ  てみろ。」
 そう言っい て、赤いかおのおじさんがふえを口に当てあ ました。お囃子はやしのメロディーは小さなころから聞いき ているので、どこで太鼓たいこ打つう かも知っし ています。
「ピーピピーピピーピ」
「ドンドン」
 わたしは、思い切りおも き 打ちう ました。メロディーに合わせあ  て、
「ドドン、ドドン、ドンドン」
続けつづ ます。
「うわあ、楽しいたの  。」
 いつのまにかとてもいい気分きぶんでたたいていました。いつまでもたたいていたい気分きぶんでした。
 お母さん かあ  は、よくわたしのことを恥ずかしは   がりやだと言いい ます。わたしもそうだと思っおも ていました。でも、恥ずかしは   がりやのわたしはどこかへってしまったみたいでした。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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