a 長文 7.1週 i
 キンコーンカンコーン、キンコーンカーンコーン。
 チャイムがなるのと同時にどうじ 、ぼくは教室きょうしつのドアを飛び出しと だ ました。今日きょうの中休みは、校庭こうてい鬼ごっこおに   をすることにしていました。少しすこ でも長いなが 時間じかん遊びあそ たかったので、一番乗りいちばんの 校庭こうていにかけつけるつもりでした。
 ぼくの教室きょうしつは三かいです。ドアを飛び出しと だ 右へ曲がりま  階段かいだんまで全速力ぜんそくりょく走りはし ます。階段かいだんまえきゅうブレーキをかけると、キキキキーと上履きうわば 廊下ろうかにこすれる音がしました。まるで自分じぶんが車になったような気分きぶんです。
 ここまではぼくが一番いちばんです。うしろに、ヒロトとフミヤが続きつづ ます。これは負けま ていられないぞ。ぼくは、こころの中で思いおも ました。
 ぼくは、階段かいだんを二だん抜かしぬ  降りるお  ことにしました。二かいまでは順調じゅんちょう飛ばしと  ました。ところが、二かいから一かい降りるお  途中とちゅうで、階段かいだん踏み外しふ はず てしまいました。一瞬いっしゅんなに起きお たのかわからないまま、ぼくは踊り場おど ばまで転がりころ  ました。
「いてえ。」
 ぼくはこし押さえお  ながら起き上がりお あ  ました。ヒロトとフミヤは心配しんぱいそうにぼくのかおのぞき込み   こ ながら、
大丈夫だいじょうぶ? が出てるよ。」
言いい ます。ずきずき痛いいた 足をふと見てみるとひざからが出ていました。
「あーあ、これじゃ、保健ほけんしつ行きい だな。ちょっと行っい てくるよ。」
ぼくはそう言っい て、一かいにある保健ほけんしつ向かいむ  ました。ぼく一人で行こい うと思っおも たのに、ヒロトとフミヤもついてきました。
「あら、どうしたの? 怪我けが?」
保健ほけんしつの田上先生は、ぼくとすっかり仲良しなかよ です。どうしてかというと、ぼくはしょっちゅう怪我けがをして保健ほけんしつ行くい からです。
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階段かいだんでこけちゃった。」
ぼくは恥ずかしは   そうに言いい ました。
「気をつけないと、ほんとうに危ないあぶ  のよ。階段かいだん走らはし ないこと。かお怪我けがしなくてよかったね。かっこいいかお台無しだいな になっちゃうわよ。」
と、先生は優しくやさ  注意ちゅういしました。怪我けが消毒しょうどくするときは、とてもしみて、悲鳴ひめいをあげそうになりました。でも、格好かっこう悪いわる ので我慢がまんしました。怪我けがをしたのはぼくなのに、ヒロトとフミヤも、なんだかいたそうなかおになっていました。
「ごめんな。遊べあそ なくなっちゃったな。」
言うい と、二人とも、
「いいよ。また、明日あしたやろう。」
言っい てくれました。明日あした転ばころ ないように、もう一度  いちど階段かいだんをかけおりるぞとぼくは思いおも ました。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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