長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
1パーツに接着剤を塗り、慎重に土台と組み合わせる。よし、これで完成だ。
僕が集めているものは、プラモデルである。プラモデルといっても、「ガンプラ」のようなキャラクターモデルとは一味違う。僕が作っているのは「城」の模型なのだ。
2白鷺城とも呼ばれる姫路城、織田信長の天下布武の象徴である安土城、豊臣秀吉の大阪城、……たくさんの城を組み立ててきた。
普通のプラモデルは簡単に作れて、完成させたあとに遊ぶことが目的の「おもちゃ」の一種という感じだが、城の模型はそうではない。3作り終わってしまったら、飾って眺めるしかすることはない。つまり、作ることそのものに意義があるのだ。おもちゃというより工作に近いかもしれない。
僕も昔は、車やロボットのプラモで遊んでいた。4しかし、学校の授業で日本の歴史を学び、武将の伝記などを読むようになって、がぜん戦国時代に興味を持つようになった。
そこで去年、初めて城のプラモデルを買ってみた。今までと全く違う買い物に、店のおじさんは、ほうっという顔をして驚いた。
5「これは作るのが難しいよ。接着剤を使うけど、持っているの。」
そう心配してくれたが、僕は力強く、「大丈夫です」と宣言した。
確かに初めは悪戦苦闘したが、すぐに作り方のコツが飲み込めた。
6今では、本棚の上にたくさんの空き箱が積み上がっている。この箱を材料にして、さらに巨大な城の工作が作れそうなほどだ。
特に気に入っているのが、小田原城のプラモデルである。7姫路城や安土城より知名度が低いせいか、模型としての出来栄えはもう一歩なのだが、それでも僕にとってはいちばんの名城である。なぜなら、この城は今でも地元の神奈川県に残っていて、僕自身も実際に行ったことがあるからだ。
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