一番めの長文は幼長の一~三月のものを再掲しています。
1夏休みの友といえばやはりカブトムシです。昆虫の王様と呼ぶにふさわしいその姿は、子どもたちの視線をとらえてはなしません。ペットショップのカブトムシコーナーは、毎年黒山の人だかりができていますし、採集ツアーも登場するほどです。
2いかにも丈夫そうな姿のカブトムシですが、その命はそれほど長いものではありません。卵からかえり、冬を越した幼虫は、蛹へと姿を変え、夏になると成虫、つまりカブトムシへと変身しますが、成虫になってからの命はおよそ一か月ほどといわれています。3ですから、夏休みが終わるころは、ちょうどカブトムシの命もつきる時期にあたるのです。クワガタムシも、カブトムシと並んで人気があります。カブトムシがひと夏の命なのに対して、クワガタムシの場合、種類によっては越冬できるものもあります。えっとうれしくなってしまうでしょう。
4大切に育てていたカブトムシの死は悲しいものですが、死んでしまったからといってすぐに飼育ケースを処分してはいけません。ケースの中の腐葉土をそっとのぞいてみましょう。もしかしたら、小さな卵が見つかるかもしれません。5直径三ミリ程度の白くて丸い卵です。孵化直前の卵は大きさは五ミリ程度になり、色も黄色味を帯びてきます。この卵をじょうずに育てることができたら、大切にしていたカブトムシの二世と対面できる日がやってくるのです。
6卵からかえった幼虫は、おもに腐葉土を食べて大きくなります。幼虫時代に摂取した栄養が、成虫のカブトムシの大きさを決定付けます。いったん成虫になってしまったら、どんなに樹液を吸ったところでそれ以上大きくはなりません。
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