一番めの長文は幼長の一~三月のものを再掲しています。
1いまから五千年くらい昔のことです。文明がさかえはじめたころの人々は、夜空を見上げて、宇宙というのは、自分たちの住んでいるこの地球だけだと思っていました。2きらめく星は、空という高い天井にはりついているもので、太陽も月も、空にはりついて動いて行き、しずむと地面の下を通ってまた東にいくと考えていたのです。
ギリシャ時代になって、宇宙のしくみが考えられるようになりました。3二世紀頃に活躍した天文学者プトレマイオスは、天動説という考えを唱えました。それは、地球が宇宙の中心にあって、そのまわりを太陽や月や惑星がぐるぐる回り、いちばん外側に恒星があるという考え方です。4まだ、望遠鏡も発明されていない時代のこの考え方は、その後千年もの間人々に信じられました。
十六世紀になって、地球が宇宙の中心という考え方に異議を唱えたのは、ポーランドの天文学者コペルニクスでした。5コペルニクスの考え方は、宇宙の中心は太陽で、地球と惑星は太陽のまわりを円形の軌道にそって回っているというものでした。地球の方が動いていると考えられたことから、地動説と呼ばれています。
6はじめて望遠鏡を使って星を見たのは十七世紀、イタリアのガリレオ・ガリレイでした。ガリレオは望遠鏡によって、月のクレーターや太陽の黒点などをつぎつぎと発見しました。
ニュートンが「万有引力の法則」を発見すると、惑星の動きはもっと正確にわかるようになりました。7万有引力の法則では、すべてのものはたがいに引き合っていると考えられました。そこで、月と地球、地球と太陽もたがいに引かれ合っていて、まわりを回ることができるとしたのです。しかし、その時もまだ、宇宙の中心は太陽で、宇宙とは太陽系のことでした。
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