1月の青いばん、アフリカの草原で、ライオンに三つ子がうまれました。まるまるふとってククククとよくわらうのがコロン、ちっともわらわないのがムウ、ちょっとばかりげんきがないのがショボン……となづけられて、いくにちかすぎました。2ちかくにお花ばたけがあるせいか、花のさいているときにうまれたせいか、みんなひどく花ずきでした。三びきは、よく、ちかくの森の、花ばたけにねそべりにゆきました。
3さてまた月の青いばん、三びきが花のあいだでふざけていると、かあさんライオンがやってきて、コロンをよびました。
――コロンちゃん、いっしょにいらっしゃい。
4うん、とコロンはおきあがり、クローバーを、ちょいとあたまにつけて、かあさんライオンについてゆきました。
森にはいると、かあさんライオンはいいました。
――きょうはね、ケモノのつかまえかたをおしえてあげるの。5よくみてらっしゃいよ。そういうと、じっとからだをひくめて、しのび足で、ツツツツツウと、すすみます。おや、ウサギがいるぞ。
――ここでね、ウンといきをすいこんで、ひととびにゆくのよ。
6かあさんは、ささやくようにコロンにおしえると、ウンと、いきをすいこみます。
はなのあなが、三かくにひろがり、ひげがヒョロリとたれてしまって、とってもへんなかおです。みたとたん、コロンはクククククと、わらいだしてしまいました。7ウサギはもちろん、ぴょんと、ひととびでサヨナラしてしまいました。
――だめじゃないの、コロンちゃん。
――だって、さっきのかあさんのかお、あんまりおかしかったんだもの。それに、あのウサギのあわてかたったら!
8そしてまた、ククククなのです。かあさんライオンは、あきらめてかえりました。
つぎのよるは、ムウでした。
――ムウちゃん、いっしょにいらっしゃい。
ムウは、だまってついてゆきました。森にはいると、かあさんライオンはいいました。
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