わざわい転じて 福となす
1「わざわいてんじて ふくとなす」というのは、わるい目に あっても、それを きっかけにして しあわせに かえてしまう という ことわざです。2また わるいことが おこると 二どと おこらないように ちゅういするので、かえって しあわせに なれる という いみも あります。
3こうつうじこで 入院した人が、からだの けんさをしてもらって、 ぎゃくに びょうきが みつかったというときも、このことわざが つかえます。4けがをしたことは わざわいですが、ふだん いそがしすぎて やすむことも できない人が、ゆっくりと きゅうようして、けんさを してもらって、びょうきも みつかり、けんこうになれば「さいわい」になります。
5たいふうで いえが こわれたら 「わざわい」です。でも そのあと、みんなで ちからを あわせて あたらしい いえを つくろうとするうちに、ばらばらになっていた かぞくのこころが ひとつになれば、これは「さいわい」に なりますね。
6「わざわいは さいわい」という ことわざも あります。これも おなじ いみです。
そのときは さいなんだなあと おもったことも、そのさいなんが あったことで、ほかの より大きなさいなんから まぬがれることが できた ということも あるのです。7つまり さいなん(わざわい)が、しあわせのもとだった ということですね。
このことわざは、中国のふるい本『史記』から きています。
8「ぼくは きょう いたずらをして、がっこうに のこされました。いえに かえると だれもいなくて、どろぼうが はいっていました。9おかあさんは 『まことが ひとりで いえに いるとき、どろぼうが きたかと おもうと、ぞっとするわ。いのこりさせられたのは、わざわいてんじて ふくとなすで ほんとうに よかったわ』と いいました。」0
「ことわざものがたり二年生」(西本鶏介著 偕成社)より
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