a 長文 5.2週 a
うそも方便ほうべん

 とかく にんげんは、じぶんを よく みせようとしたり、じぶんのほうが ただしいのだと おもわせたくて、つい うそをついてしまいます。また、あいてを なぐさめ、げんきづけるために、うそをつくことがあります。
 ながいあいだ 入院にゅういんしている おじさんを おみまいにいったら、すっかり やせて、青白いあおじろ かおを していました。
「もう だめかもしれない。」
という おじさんに おとうさんは、
「かおいろが このまえより いいから、だいじょうぶだ。」
と いいました。
 うそと わかっていても、おとうさんを せめることは できません。よわきになっている おじさんを はげましているのですから。
 うそをつくのは わるいことだと おしえられてきましたが、ときと ばあいによっては、ものごとを おだやかに おさめるために、うそをつくこともある という ことわざです。

 「ことわざものがたり二年生ねんせい」(西本にしもと鶏介けいすけちょ 偕成社かいせいしゃ)より
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