人間の体はオーケストラのように響き合って、全体として一つのまとまった一定の波動を出しています。しかしそのことは、ふだんは自覚できません。ちょうど地球がぐるぐると回っているのに、そんなことを意識しないのとまったく同じです。
私たちの回りにはテレビの電波やら携帯電話の電波などが錯綜して飛び交っているけれども、そういう自覚も私たちはほとんどありません。目に見えない、体で感じないことに私たちはかなり鈍感なのです。
でも波動を活用するためには、目に見えないものや体で感じられないものへのきめ細かい感受性を持つことが求められます。そういう見方をしていかないと、なかなか波動というものの真の価値を理解することができません。
「見えないものはない」「五感で感じられないものはない」「科学的に合理性のないものは信じられない」という感覚の持ち主は、波動的人生は送れないといってよいでしょう。実際は感じないことなどありえないのです。ただその感じたものを、自分の心でどうとらえるかが人によって異なっているのです。
たとえば氷に触れれば誰でも冷たいと感じます。しかしそれは、ただ冷たいという感覚だけでは物理的な温度を感じただけなのです。ガラスにさわってみるとやはり冷たい。でもその冷たさを「ひんやりしていい気持ちだね」と感じるときもある。きめ細かな感受性とはそういう感じ方のことです。
このような感受性を養うには、握手をするのがいちばんよい方法です。握手をするときただ手を握るのではなく、こちらの想いを込めて握るのです。そうするとその想いは相手に伝わると同時に、相手の気持ちもこっちに入ってくる。そういう感じがするかどうかを意識してやってみることです。
そうした感受性が養われると、波動というものが直接感じられるようになります。たとえば目を見ただけで相手の気持ちがピンとわかるようになる。目は波動を出していますから、それをキャッチできるのです。
自分が愛している人の言動には誰でも敏感です。新婚ホヤホヤの奥さんなら、旦那さんの玄関の開け方、靴の脱ぎ方、「ただいま」という声の調子、そういうものから心理状態を読み取れる。愛しているからそれがわかるのです。
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