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 アメリカのモンタナしゅうは、ジュラ紀   きや白亜紀あき恐竜きょうりゅう化石かせきがたくさん発見はっけんされる場所ばしょです。このあたりで、タマゴのから破片はへんのようなものがたくさん見つかり、これが大発見だいはっけんにつながりました。タマゴのから周辺しゅうへんをさらに調査ちょうさすると、直径ちょっけい三メートルほどもある、クレーターのような形のが見つかったのです。このの中から、赤ちゃん恐竜きょうりゅう化石かせきがたくさん出てきました。これは、この場所ばしょでカモノハシりゅうのタマゴが孵化ふかしたことを示ししめ ています。また周辺しゅうへんからは、大人のカモノハシりゅう化石かせきが見つかりました。
 タマゴのからが細かく割れわ ている理由りゆうは、赤ちゃん恐竜きょうりゅうが足で踏みつけふ   たからでしょう。つまり、タマゴからかえった赤ちゃんは、しばらくの中で生活していたということになります。の中から見つかった赤ちゃんのほねは、大きさがさまざまで、いちばん小さいものは全長ぜんちょう二十五センチメートル、大きなものは一メートルほどありました。恐竜きょうりゅうの親は、赤ちゃんが生まれてから一メートルの大きさに成長せいちょうするまで、エサをあげて子育てこそだ をしていたのでしょう。これは、親鳥がの中のヒナにエサを運ぶはこ のとよくています。このカモノハシりゅう仲間なかまには、「よいお母さん恐竜きょうりゅう」という意味いみのマイアサウラという学名がつけられました。
 更にさら の中をよく調べしら てみると、植物しょくぶつ破片はへん化石かせきが数多く見つかりました。これは、親が子に運んはこ だエサの植物しょくぶつとは違うちが ものです。なぜエサでもない植物しょくぶつが、たくさん発見はっけんされたのでしょう。
 鳥はタマゴを生むと、タマゴの上に乗っの 温めあたた つづけます。タマゴがかえるには、一定いってい期間きかん決まっき  温度おんど保つたも 必要ひつようがあるからです。恐竜きょうりゅうの場合はどうでしょう。マイアサウラの親の大きさは八メートル近くあり、体重たいじゅうは何トンもあったと考えられます。これでは、タマゴの上に乗っの 温めるあたた  わけにはいきません。そこで、自分が温めるあたた  代わりか  に、タマゴの上を植物しょくぶつでおおって温度おんど保ったも たのです。
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こうしておけば、直射ちょくしゃ日光で暑くあつ なりすぎたり、夜間に冷えひ すぎることもありません。また、植物しょくぶつ発酵はっこうによってねつを出すので、それによってタマゴを少しずつ温めるあたた  ことができます。
 このようなは、同じ場所ばしょから複数ふくすう見つかっています。マイアサウラは集団しゅうだん子育てこそだ をしていたのでしょう。生まれたばかりの赤ちゃん恐竜きょうりゅうは弱く、てきにねらわれやすいのですが、集団しゅうだんを作って生活をしていれば、いつも大人のマイアサウラが赤ちゃんを守るまも ことができます。
 発見はっけんされた化石かせきは、これまでわからなかった恐竜きょうりゅう行動こうどうを、わたしたちに教えてくれるものでした。化石かせきをくわしく調べるしら  ことで、わたしたちは大昔おおむかし恐竜きょうりゅうの生活の仕方しかたまで知ることができたのです。

 言葉ことばの森ちょう作成さくせい委員いいん会 κ
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