1夜空を明るく照らす丸い月。昔から、月にはウサギがいて、おもちをついていると言われています。確かに、月の模様をよく見ると、杵を持ったウサギがおもちをついているように見えます。2しかし、月に住んでいるのはウサギだけではないようです。北ヨーロッパでは、月の模様を、本を読むおばあさんや水を運ぶ男女に重ね合わせています。3さらに、南ヨーロッパでは、大きなはさみを持ったカニ、東ヨーロッパでは横向きの女性、アラビアではほえているライオン、カナダではバケツを運ぶ少女など、同じ模様でも国によってとらえ方はさまざまです。
4では、どうして月には模様があるのでしょうか。それは、月にはクレーターや海などがあり、地球から見ると、クレーターは白っぽく、海は黒っぽく見えるためです。この海の部分がウサギになったり、カニになったり、ライオンになったりするのです。5海と言っても、地球の海のように水があるわけではなく、濃い色の玄武岩でおおわれた平原となっています。月の海は、月の地表の十六パーセントを占め、そのほとんどが月の表と呼ばれる地球を向いている側にあります。6ですから、地球に住む私たちは、その模様を楽しむことができるのです。まるで、月がこちらを向いて、私たちにつきあってくれーたーかのようです。
7月は地球よりも小さいために重力も小さく、大気をつなぎとめておくことができません。地球に落ちてくる隕石のほとんどは、地球の大気との摩擦で燃え尽きてしまいますが、月には大気がないので隕石がそのままぶつかります。隕石がぶつかった跡も、月の模様となっています。
8ガリレオは、初めて望遠鏡で月のクレーターを見たとき、「青眼をちりばめたクジャクの尾のようだ」と言ったそうです。
|