a 長文 10.2週 00u
 ヘレンは一さいはんのころ、重いおも 病気びょうきで、見えみ なくなり、みみ聞こえき  なくなりました。こえ出すだ ことはできましたが、ひとはなし聞こえき  ないため、正しくただ  話すはな こともできませんでした。そのために、ひと思っおも ていることをうまく伝えつた られずに、毎日まいにち癇癪かんしゃくをおこしてはあばれ、まるで動物どうぶつのように手づかみて   でものを食べるた  というような生活せいかつぶりでした。家族かぞくひとたちは、いったいこの将来しょうらいどうなってしまうのだろうと、むねがつぶれる思いおも でした。 
 ぽかぽかとおひさまがほほえむ四月しがつのはじめ、運命うんめいがやってきました。サリバン先生せんせいは、にわ井戸いどからみずをくみ、ヘレンのをとって、そのつめたいみずをかけました。
 ヘレンはおどろいてをひっこめました。そのをまたとって、サリバン先生せんせいみずをかけました。なんかそうするうちに、ヘレンは気持ちよきも  さそうに、をのばしたままにしました。そこで先生せんせいは、ヘレンの手のひらて   ゆびでこう書きか ました。
 「w a t e rウォーター」 
 ウォーター、そう、みずのことです。ヘレンは不思議ふしぎそうなかおをしています。そこで、サリバン先生せんせいもう一度  いちど、そのみずをかけました。そして、すぐにまた、「water」と書きか ました。ヘレンは、考えかんが ているようすです。さらに先生せんせいが、ヘレンのみずをかけたところ、ヘレンがうなずいたのです。すかさず、先生せんせいは「water」と書きか ました。すると、へレンが、先生せんせい探りさぐ あて、同じおな ようになにかをその書こか うとしました。 
 「わかってくれたのね」サリバン先生せんせいは、むね高鳴りたかな をおさえつつ、ヘレンのをとり自分じぶんかお持っも 行きい 、ほおをなぞらせたあと、くちびるにあてがいました。それから、ゆっくりとそしてはっきり、発音はつおんしました。 
「ウ、ォーター」 
もう一度  いちど言いい ました。
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「ウォーター」 
すると、ヘレンもまねをするようにくちびるを少しすこ うごかしました。いきともこえともつかないかすかなおとがヘレンのくちからました。 
 こののことをサリバン先生せんせい一生いっしょう忘れわす なかったでしょう。見えみ みみ聞こえき  ず、くちもきけなかったヘレンが、生まれう  てはじめて言葉ことばにふれた瞬間しゅんかんです。ヘレンは、ふくをびしょぬれにしながら、なんみずにさわり、先生せんせいをとって、文字もじらしきものをその書きか 、くちびるを動かしうご  ました。サリバン先生せんせいも、よろこびのなみだみずでぐしゃぐしゃになりながら、「ウォーター」「ウォーター」と繰り返すく かえ のでした。

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(φ)
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