a 長文 10.1週 00u
 コンピュータは、あることを覚えおぼ させれば一度いちど間違いまちが なく記憶きおくします。しかし、生き物い ものはそうではありません。
 記憶きおく実験じっけんで、ネズミを、ブザーが鳴っな たときにレバーを押すお えさをもらえるような仕組みしく はこ入れい ておきます。ネズミは、ブザーとレバーとえさ関係かんけい気がつくき   まで、なんかい何百回なんびゃっかい試行錯誤しこうさくご繰り返しく かえ ます。そして、やがて、ブザーが鳴っな たときにレバーを押せお ばよいのだということを記憶きおくします。正しいただ  やり方  かた覚えるおぼ  までに、間違っまちが やり方  かたなんかい繰り返しく かえ 失敗しっぱいすることが必要ひつようなのです。
 生き物い もののこの記憶きおく仕方しかたは、実はじつ 生きるい  ために役立っやくだ ています。もし、ブザーとレバーの関係かんけい記憶きおくした人間にんげんが、ブザーのかわりにサイレンが鳴りな 、レバーのかわりにボタンが置いお てあるような場所ばしょ置かお れたとすると、人間にんげんはブザーとレバーの関係かんけいから類推るいすいして、サイレンとボタンの関係かんけいにやがてすぐに気がつくき   でしょう。しかし、機械きかいは、いつまでたってもブザーとレバーの関係かんけいから新しいあたら  考えかんが 移るうつ ことができません。
 生き物い ものは、高等こうとうになるほど曖昧あいまい記憶きおく仕方しかたができるようになります。わたしたちは、あるひとべつふく現れあらわ ても、それが同じおな ひとだということがわかります。もし記憶きおくが、機械きかいのように正確せいかくなものであったなら、違うちが ふくているひと違うちが ひとだと思っおも てしまうでしょう。そのような記憶きおくでは、生き物い もの変化へんか激しいはげ  世界せかいなか生きい 続けるつづ  ことができなかったはずです。数多くかずおお 失敗しっぱいを通して とお  覚えるおぼ  ところに、生き物い もの記憶きおく秘密ひみつがあるのです。

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい Σ
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