1「雑草のように強い」というたとえがあるように、雑草という言葉は、たくましく生きるものを表現することがあります。
2雑草は、そのたくましさの故に、農作物に悪い影響を与えることがあります。3農業では、草取りをきちんとしないと、雑草が作物の養分などを横取りしてしまうため、収穫できる量が減ったり、作物の品質が落ちてしまいます。
4また、作物を収穫するときに、雑草が邪魔になることもあります。5たとえば稲刈りをするとき、昔は鎌を使った手作業だったので、雑草と稲を区別しながら収穫することができました。ところが、現代では機械で収穫作業を行うので、稲と雑草の区別ができません。6その上、雑草の大きさや形はさまざまなので、作物の大きさに合わせて作られた機械ではうまく刈ることができず、機械にからみついて、収穫作業の能率が悪くなります。
7しかし、雑草は、人間の役に立つ場合もあります。薬として使われるチョウセンニンジンは、栽培されているものよりも野生のもののほうが効果が高いといわれ、値段もまた高価です。
8また、生活排水などで汚染された水を浄化するのにも、雑草が役に立つことがわかってきました。9水路に水生植物を植えることで、水を浄化することができるのです。アメリカのフロリダでは、この目的のためにホテイアオイを活用し、効果を上げています。0
言葉の森長文作成委員会
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