課題集 テイカカズラ3 の山
苗
絵
林
丘
○自由な題名
/池
池新
○雪や氷、なわとび
/池
池新
★なみだがぽろり、何かを育てたこと
/池
池新
○ビルや道路
/池
池新
一九九一年の湾岸戦争では、原油が海にながされ、海で生きる動物たちがたくさん死にました。
また、空から落とされた爆弾で、ものすごい量の石油が燃えて、大気をよごしました。
「人間たちは、どこまでやるつもりなの? まいったなあ。」
さすがの自然も、最近の人類のめちゃくちゃぶりにはこまりはてていたにちがいありません。
「もう、がまんできないぞ!」
自然が、怒ったのだと思います。
「ここでやめないと、もっとひどいことがおこるよ。」
それとも、自然からの警告でしょうか。
地球規模の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨は、怒った自然の大逆襲かもしれません。
自然がいかにだいじかは、ぼくがおとなになってから気づいたことです。子どものころは、おとなたちが、「花がきれい」とか「空がきれい」などといっているのを聞いても、そのよさがよくわかりませんでした。子どものぼくには、おもちゃで遊んだり、お菓子を食べたり、友達と遊んだりすることが楽しかったので、自然のことはぜんぜん考えていなかったのです。
でも、年をかさねておとなになるにつれ、自然のことが気になるようになりました。
「春かあ。そろそろサクラがさく季節だなあ。」
季節によって移りかわる景色を見ると、「いいなあ」と思うようになりました。
ぼくが自然に興味をもつようになったのは、仕事も大きく関係していると思います。
お天気は、自然現象そのものです。ぽかぽかとあたたかくておだやかな春、太陽がかっと照って暑い夏、長雨がしとしととふる秋、北風が吹いて寒い夜……。天気解説をしていると、季節のうつりかわりがとてもよくわかります。
季節のうつりかわりは、とても不思議できれいです。気持ちをほ∵っとさせてくれます。
また、お天気の仕組みがわかってくると、ぼくたちにとって、空がとてもだいじなものだということがわかってきました。
「自然の仕組みはすごいな。スケールが大きいな。」
「きれいな自然をこれ以上、こわしちゃいけないな。」
いつしか、そんなふうに強く思うようになりました。
みなさんは、自然について、どんなふうに考えていますか。もしかすると。子どものころのぼくとおなじように、あまり興味がないかもしれません。
よーくわかります。ファミコンとかサッカーとか、おもしろいことがたくさんあるでしょうから。
でも、きっといつか、自然を「きれい」と感じたり、「自然はたいせつにしなければ」と思ったりするときがくると思います。そのとき、空や空気がよごれていて、緑がなかったら、とても悲しいと思います。
みなさんに、そんな思いはさせたくありません。
「それじゃあ、どうしたらいいんだろ。」
いろいろ、考えてみました。
社会がここまで発展してしまうと、自然をまったくいじらないというのはむりです。でも、いじらなくてもいい自然もたくさんあるはずです。そういうところは、開発してはいけない。これからの人類には、「節度」というものがだいじなのです。
ぼくたちおとなが、みんなの世代のためにできることがあるとすれば、たぶん、そういうことです。
そして、だまっていては何もかわりません。
「海に人工的に海水浴場をつくるのはしかたがないけれど、自然の海岸線をこわしてどんどん大きなホテルを建てる必要が、ほんとうにあるのでしょうか。」
「ゴルフ場はもうたくさんあります。これ以上は、つくらないでください。」
みんなが声をだして、きちんといっていくこともだいじだと思います。
(森田正光「森田さんのおもしろ天気予報」)