課題集 タラ3 の山
苗
絵
林
丘
○自由な題名
/池
池新
○何かを作ったこと
/池
池新
★飼っている生き物、りょうりを作ったこと
/池
池新
○アフリカのみどりの森に
/池
池新
アフリカのみどりの森に、あかるい朝がやってきたのに、ヒョウのとうさんは、げんきがありません。むすこのペポネのかおをみては、しんぱいそうに、くびをかしげています。そして、かあさんとかおをみあわせては、ためいきばかりついているのです。
ふたりがしんぱいするのも、むりはない。ペポネには、ひげがちっともはえてこないのです。
ひげのないヒョウなんて、アフリカじゅう、いや、世界じゅうさがしたって、みつからないにきまっています。
ペポネにひげがないことは、もちろん、うまれたときからわかっていました。しかし、なにしろ、うまれたてのあかんぼうのこと、そのうちにはえるさと、とうさんヒョウは、気にもとめなかったのです。
ところが、いつまでたっても、はえてこない。これでは、うっかりそとへつれてあるけません。なかまたちに、からかわれるにちがいありませんからね。
かあさんヒョウは、ペポネのはなのまわりを、ていねいに、なんどもなめてやりました。
だけどだめ。
赤い月がジャングルの空にのぼる夜ごとに、かあさんヒョウは、月にいのりました。
―どんなひょろりとしたひげでも、けっこうです。どうか、はやしてやってください。
しかし、やっぱりはえません。
とうさんヒョウは、しかたなしに、森いちばんのものしりの大フクロウのところへ、そうだんにでかけました。
話をきいて、大フクロウは、ホッホッとわらいながらいいました。
―そうさな。こんな話はきいたことがないな。さすがのわしにも、けんとうがつかぬが……そうそう、おひげのあるさかなでもたべさせてはどうかな。
おぼれるものはワラをもつかむ、どんなことでもやってみようという気持ちです。とうさんヒョウは、ジャングルの川へとんでいきました。めざすのは、もちろん大ナマズ。
(今江祥智「ちょうちょむすび」)