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課題集 タラ3 の山

○自由な題名 / 池新
○家族(かぞく)で出かけたこと / 池新
★清書(せいしょ) / 池新

○連日の梅雨空です / 池新
 連日の梅雨空です。いまも雨こそふってはいませんが、空は、むらなく、うすいグレー一色にぬりつぶされています。
「おーい、美奈代!」
 男の子の声がとんできました。
 運動場をまっすぐにつっきってかけてくるのは、となりのクラスの岩田勇。赤ゴリラというあだ名そのままの体形で、リンゴのような赤いほっぺたが近づいてきます。
 美奈代と菊菜は、べつにふりむきもせず校門にかかりました。
「美奈代、美奈代! おまえを呼んだんだぞ!」
 勇は、息をはずませながら、
「呼ばれたら、立ち、どまるとか――へ、返事を、する、とか、しろ。美奈代。」
「気やすく呼ばないでね。」と、美奈代は、そっけなく、「で、なんの用?」
「まず、こっちを、見なよ。」
と、(いさむは、ふざけました。
「相手にしない、しない。」
と、菊菜が美奈代に注意しました。
「三枝さん、そういういい方って失礼だと思いますよ。」勇は、わざとじろりと菊菜をにらんでから、「うちの先生が呼んでるよ、美奈代。うそじゃないから教室のほうを見なよ。」
 美奈代は校舎をふりむきました。すると二階から南野先生が、たしかに手まねきをしていました。
「な、そうだろ。」
「キク、待ってて。」
 美奈代は菊菜にいいのこして、運動場をかけもどりました。

(福永令三「クレヨン王国の赤トンボ」