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課題集 セリ3 の山

○自由な題名 / 池新
○節分、マラソン / 池新
★楽しい夕食、ねるとき / 池新

○強い骨 / 池新
 骨と言うと、理科室にある人骨の模型を思い出す人もいるでしょう。人間の体は、さまざまな形や大きさの骨が数多く集まって、骨格を作っています。骨はたいへん丈夫なもので、たとえば、頭蓋骨は平らな骨がドーム状に組み合わさってできていて、脳を守るヘルメットのような役割をしています。また、肋骨はかごのような形をしていて、肺や心臓などの内臓を守っています。
 骨と骨がつながっている部分は、どうなっているのでしょう。ただ単に、接着剤でくっつけたように組み合わさっていたら、骨は自由に動きません。しかし、私たちは手や足を自由に動かすことができます。骨どうしが動きやすいようにつながっているところを関節といいます。ひざや指の関節は、ドアの蝶番のような形をしています。肩や股関節などは、丸いくぼみに球の形をした骨がはまっており、あらゆる方向に動かすことができます。関節の骨と骨が接している部分は、摩擦を減らすために軟骨組織におおわれている上、滑液かつえきという液体が潤滑油がわりに骨を囲んでいます。つまり、機械に油をさしてすべりやすくするのと同じで、なめらかに動くように工夫されているのです。
 骨は、つねに新しい細胞と入れ替わっています。破骨はこつ細胞がどんどん骨を壊す一方で、骨芽こつが細胞はせっせと新しい骨を作ります。骨折しても、しばらくすると元どおりに骨がつながるのは、この破骨はこつ細胞と骨芽こつが細胞が骨の修理屋の役目をするからです。
 壊される骨と新しく作られる骨のバランスが取れていれば、骨はずっと同じ状態を保つことができますが、作られる骨のほうが少なくなると、骨に空洞がふえて軽くなり、骨折しやすくなります。この状態を、こつ粗しょう症といいます。∵
 カルシウムは、骨を新しく作るために大切な栄養素です。またカルシウムは、心臓をうまく動かすためにも、筋肉に力を発揮させるためにも、欠かせないものです。カルシウムが不足すると、イライラしやすくなることも知られています。骨は、カルシウムを貯蓄する銀行のような役目もしており、あまったカルシウムは骨に蓄えられますが、足りなくなると骨から引き出されて使われてしまいます。ですから、食事の量を減らして無理にダイエットをすると、カルシウム不足になって、骨が折れやすくなる危険があります。
 骨を強くするために、もう一つ大事なことがあります。それは、運動をして骨に適度な刺激を与えることです。宇宙旅行から帰ってきた飛行士たちは、地球にいるときよりも、骨がもろくなっているそうです。宇宙空間は無重力なので、人間はふわふわと浮いていることができます。地球にいるときのように、力を入れて歩く必要もありません。そのため、骨に刺激を与えることが極端に少なくなり、骨が弱くなってしまうのです。
 バランスよく食べて適度な運動をすれば、骨の健康を保つことができます。カルシウムは、小魚や乳製品にたくさん含まれているので、好ききらいをせずしっかり食べて、運動をして、骨を強くしましょう。骨は、使えば使うほど丈夫になるのです。
 そうでしょう。骨さん。
「ほうねえ。」

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(κ)