昨日463 今日511 合計154852
課題集 セリ の山

○自由な題名 / 池新
○なわとび / 池新
★何かを育てたこと、雪や氷 / 池新

○パストゥールは炭疽菌のいる(感) / 池新
 【1】パストゥールは炭疽菌のいる血液を一滴だけとって、これを尿の中で培養しました。数日後、この培養液からまた一滴だけとって、二番めの培養液の中におとしました。
 そして数日後、またおなじことをくりかえしました。
 【2】いちばん最初の一滴の血液は毎回うすめられているのですから、この作業をなんどもくりかえしていけば、最初の一滴の中にいた微生物はとうぜん消えてしまうはずです。
 【3】パストゥールは、このようにして二十回もうすめてきた培養液から、ほんの一滴だけとって動物に注射しました。すると、動物はたちまち炭疽病にかかることがわかりました。【4】最初の培養液も、最後の培養液も、病気をおこさせる力はおなじなのです。うすめるたびに炭疽菌が繁殖したにちがいありません。そうでなければ、最後の培養液は何百倍にも弱まっているはずですから。
 【5】こうして、この小さな棒状のものが、炭疽病の原因だということがわかりました。
 もし環境をかえたら、炭疽菌はどのような反応をしめすのでしょう。
 【6】パストゥールは、ニワトリが炭疽病にかかっている羊といっしょにいても、決して病気にならないこと、また、ニワトリの体温が高いことを知っていました。【7】そこで、数羽のニワトリを氷につけてひやしてから、炭疽菌をあたえてみました。どうなるか想像してみてください。
 【8】しばらくすると、ニワトリはみんな病気にかかったのです。
 パストゥールはすぐに反対の実験をしてみました。
 ウサギは炭疽病にかかりやすい動物です。【9】何びきかのウサギをあたたかいお湯につけて体温をあげてみました。するとどうでしょう、ウサギは病気にかからなかったのです!【0】
 「細菌と戦うパストゥール」(ブラーノ=ラトゥール)偕成社