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課題集 サツキ3 の山

○自由な題名 / 池新
○お父さんやお母さんと遊んだこと / 池新


○ホタルの光 / 池新
 毎年五月の終わりから七月にかけて、ホタルのすがたを見ることができます。夏の夜、水辺の草むらなどで、ホタルが光っているのを見た人もいるでしょう。ホタルは夕方、西の空がだんだん暗くなって星の光が見えはじめるころから、少しずつ光りはじめます。風がなくて空気が生あたたかい、月明かりのない夜には、特に多く飛ぶのが見られます。その光は幻想的で、多くの人の心をとらえてきました。ではホタルは、何のために光るのでしょうか。
 ホタルの光は、恋人と知り合うための信号です。ホタルのオスとメスは、真っ暗な夜に相手がどこにいるのか探します。しかし暗闇の中では、お互いのすがたを見つけるのは大変です。そこでホタルは、光で合図を送って、相手のすがたを探し出すのです。
 まず、オスが一生懸命光を出して、暗闇のどこかにいるメスに信号を送ります。それを草の陰から見て気に入ったメスは、自分も光を出して「オッケー」のサインを返します。そうしてオスはメスの光をたよりに、ゆらゆらと近づいて行くわけなのです。
 このため、人間が懐中電灯でホタルを照らしたり、カメラのフラッシュをたいたりすると、ホタルは恋人がさがせなくなってしまうことがあります。
 ホタルには、いろいろな敵がいます。クモもそのひとつです。ホタル見物に行って、光りっぱなしで少しも位置の変わらないホタルは、たいていクモの巣にひっかかったホタルです。
 川の汚れや農薬によって年々数を減らしてきたホタルですが、人間の力でホタルを復活させる試みも各地で行われています。ホタルのえさになるカワニナは清流で育つので、川をきれいにすることが最初の仕事です。ホタルの棲める自然を取り戻すことが、人間にとっても住みよい世界を作ることなのです。
「ところで、ホタルさんの好きなカワニナはどこにいるんですか。」
「きれいな川にな。」∵

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(γ)